第2話  神恭一郎という男

その時、頭を覆っていた鉄仮面が取れ、長い黒髪が風に舞い上がった――

何年もの時を経て仮面の下から現れたのは、二代目スケバン刑事麻宮サキ…

ではなく、

神恭一郎じんきょういちろう であった!!!



スケバン刑事という漫画において、神恭一郎じんきょういちろうは不可欠なキャラクターです。

学生刑事であるサキを助け、やがて愛し合うようになるヒーロー的存在。

ここで原作の絵を参照できないのが残念ですが、彼はまっすぐな長い髪が特徴のイケメン(たぶん)です。

神は最初サキにとって憎まれ役となり、事件に浅く関わりながらサキの正義感が目覚めるのを待ちました。


さて、ヒロインの麻宮サキは高校生ですから15~18歳。彼女と恋愛関係になる神じん恭一郎は何歳なんでしょうか?



【コミックス1巻「神恭一郎白書」より】

職業・私立探偵。

昭和24年4月イギリス生まれ(日本国籍)、24歳で日本に帰国するまでスコットランドヤード勤務。

連載開始が昭和50年と考えると、26歳?1巻時点で三億円事件の7年後なので、物語の舞台は1975年で合ってそう。


終盤になると12年前に17歳だったというエピソードが出てくるので、作品内時間が3年ほど経過していて最後は29歳?

私立探偵デビューは昭和48年の「愛と死の砂時計」。のちに「オレンジは血の匂い」「左の眼の悪霊」などの事件を解決しました。

東京・青山の探偵事務所には二人の秘書がいて、うち一人の海堂美尾かいどうみおは西園寺京吾(故人)の婚約者、もう一人は14歳のスガちゃん。

美尾は別の読み切り漫画で2度ヒロインとして描かれており、作者が京吾との関係性を気に入っていたのが伺えます。


というわけで神は後半で30歳くらいのオジ…大人の男性だったとわかりました。

サキが大人びた女の子だったとはいえ、ちょっと年の差が気になりますね!



【闇の虎ダーク・タイガーと呼ばれて】


17歳で両親をなくした神。

財産も何もなく、1巻に載っていたオックスフォード大留学・スコットランドヤード勤務のプロフィールが本当なのか、不安な状態になってしまいます。

調査のすえ悪の組織「猫」にたどりついたものの、首領によってニューヨークの地底深くへ放り込まれました。

地底では、かぶせられた鉄仮面で何も見えないまま周辺の小動物を捕らえて食べたりしていました。


およそ三年後助けられてマスクを外した神は「闇の虎」と呼ばれました。

彼の長髪の理由は、地底暮らしの間に育った「猫」への復讐心を忘れないためといったところでしょうか。



【クライマックスへ】

復活した「猫」を追う神ですが、マカオで銃撃戦があり目を悪くしてしまいます。

が、地底生活で身についた感覚のため、失明にも不安がないと神恭一郎じんきょういちろうは語ります。


別々に「猫」の本拠地へ乗り込んだサキと神。

そこには命がけの戦いが待っていました――



冒頭で触れた「二代目スケバン刑事」で最も印象深かったのが、鉄仮面の外れるあのシーンだったのではないでしょうか。

おそらくあのシーンは神恭一郎じんきょういちろうの鉄仮面がヒントになったのではないかなーと思います。


余談ですが、和田慎二「銀色の髪の亜里沙」にもヒロイン・亜里沙が洞窟で野生生活を送る場面があります。この作品では亜里沙の髪の毛が銀色に変化しました。

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