第1話
今日帰ったら死のう
そう思い立ったのは会社でパソコンでプレゼンテーションの資料を作っている最中のことだった。
入社して4年目、少しずつ仕事を押し付けられるようになってきたのは理解できるが俺は断固として人前に出たくない根暗人間であった。プレゼンテーションなんて考えただけで胃が痛む。それどころが仕事のことを考えただけで胃が破裂する。そんな人間がどうやって生きれるか、いや出来ない。
俺は限界だった。ずっと苦しい。同期に相談したところできまって何か趣味を持てだの、女を作れだのいう。趣味を色々やってはみたが3日も続かなかったし、女を作る勇気もなかった。何一つ興味を持てなかった。それは当然のことで俺自身がひねくれて何一つ興味を持とうとしなかったからだ。大人になって何一つ自分から変わろうとしなくなった。それが無駄だと信じてやまないからだ。
腐っている
外側は何の変哲もないが中身は人間の醜い部分のドロドロがぎっしり詰まっている。
そんな状況で未来が見えるはずもなかった。
だから死ぬ。全てを吐き出して死んでしまえばすこしはこの苦しさがマシになると思った。
そして死ぬ。俺は会社帰りにローブを買った。首吊りとは俺は死ぬまで典型的だと思ったがまあよかろう。
家に帰ってきた。
最後の晩餐であるコンビニの唐揚げ弁当も食べたし、遺書も書いた。
あとは死ぬだけ
死んでやる
死んでやる
いくぞ
いくぞ
さようなら
さようなら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ガタッ
!
俺は驚いて縄から手を離した。
窓から何か物音がした。
俺は確認するためを恐る恐る窓のカーテンを開けた。
なんだこれは
目の前には翼を生やしたスーツの何者かが立っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます