最終話
孝之はしばらくその場で沈黙していたが、何かを思い詰め、決意したかのように差し出されたお茶を一気に飲み干した。
とたん先ほどの怯えていた様子とは打って変わり、いつもの好青年の表情で微笑みながら硬く閉ざしていた口を開いた。
「やだな亜希さん、誤解ですよ、僕はただ由紀ちゃんが可愛がってる猫が車に轢かれ、無惨な姿で横たわっていたから、この庭にお墓を作っていいかと思っただけです。」
孝之は極めて冷静な面持ちで淡々と話を続ける
「でも確かに亜希さんの言う通りだ、僕は確かに7年前、桐原先生と由紀ちゃんの関係を利用して、当時大好きだった由紀ちゃんを自分の思いのままにしたかった、さすが元、ZEROの人間と言うべきか、よくご存知だったようで驚きました、そして亜希さんが心配になるのも無理はないですね・・・
でも、ご心配には及びませんよ、もう僕は由紀ちゃんに危害を加えようとは思っていませんから。」
亜希は孝之のその言葉にすかさず釘を刺した。
「あら、その根拠はどこからきているのかしら?私にはとてもあなたが今になって現れた事も、今日の出来事も偶然だと思えないの、これは忠告ではなく最終警告よ孝之さん、」
「もちろんです、僕も父や結婚を前提にお付き合いをしている美人の彼女の期待を裏切りたくはありまんし、ましてや7年前の出来事は僕にっとても闇に葬りたい過去なんですよ。だから亜希さん、そんな怖い顔をしないでください。」
そう言うと孝之は立ち上がった
「信じてください亜希さん、今ではすっかり評判通りの好青年ですから。
では、そろそろ次の依頼がありますので、失礼します。」
孝之は礼儀正しく姿勢を整えて亜希にお辞儀をし、バルコニーの出入り口へと歩き出す。
その様子を亜希は鋭い目つきで見送ったが、孝之は一度も振り向く事なくバイクのエンジンをかけ、勢いよく由紀の家を去っていった。
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ちょうどその頃、由紀は幕井の弁当屋の裏口まで来ていて、来たものの、なかなか決心がつかずに裏口のドアを開けれずにいた。
頭の中で、孝之の事を何て説明すれべいいのか、急に押しかけて迷惑じゃないのかと考えているうちに、アルバイトのおばさんが裏口のドアを開いて店から出てきたが、ちょうど目の前に由紀が立っていたので、そのおばさんは少し驚いた様子で
「あら、由紀ちゃんじゃない!ちょうど今来たところ?ドアを開けるなり居るもんだからビックリしちゃった!」
と言って目を大きく開きながら笑顔で由紀に問いかけた。
由紀は「あ、すいません」と言って恥ずかしそうにすると、おばさんが気を利かせ、店内にむかって
「幕井さーん??由紀ちゃんが来てくれてますよー!!」
と声を張り上げた。
すると店内から幕井の返事がすぐに返ってきた。
「由紀ちゃん、今、帳簿をつけている所だから、中に入っておいで!」
その返事を聞いておばさんはニコッと笑いながら「またね、由紀ちゃん」と言って帰っていった。
由紀もペコっと頭を下げて、おばさんを見送った、幕井の事務室へと向かった。
事務室のドアは開いていた、中を覗くと、幕井がレトロな眼鏡をかけて帳面と睨めっこをしている。
幕井は由紀の方を向かず、作業を続けながら、
「由紀ちゃんもう少しで終わるから少し待ってて」と言った
由紀は「うん」とだけ言ってソファーに腰掛けて幕井の作業が終わるのを待つことにした。
(何故だろう、幕井さんの背中を眺めているとなんだか切なくて、淡い想いが込み上げてくる・・・)
由紀は膝元に置いた自分のカバンをギュッと抱え込んで幕井の作業を見守っていた、、、
しばらくすると、幕井は「ふー」と息を吐いて椅子を由紀の方へ向け
「待たせて悪かったね、今日はどうしたの?」と由紀に微笑んだ。
由紀は少し申し訳なさそうに「ちょっと幕井さんに相談があって・・・」
と切り出した、曇った表情の由紀に、幕井は更に笑顔を見せて
「どうしたのかな?浮かない顔だね・・」
そう言うと幕井は立ち上がって、由紀の座るソファーの横に腰掛けた
改まって幕井は「大丈夫?由紀ちゃん?まぁ、由紀ちゃんの年頃は悩みが多い年頃だからね、こうみえて実は秘密主義なんだよ?おじさんだからね、どんな相談だってばっちり聞いてあげるから、安心して言ってごらん?。」
その言葉に由紀は思わず涙が溢れ、、、由紀は幕井に抱きついた。
「あのね幕井さん、実は今すごく不安で、私、怖くてたまらないの。
驚かなで、聞いてくれる?」
由紀は幕井に7年前の出来事と、最近になって孝之がまた自分の目の前に現れ、不穏な動きをしている事を打ち明けようと決心をした、幕井は穏やかに
「もちろんだよ、なんだかいつもの由紀ちゃんとは様子が違うようだね、おじさんも、真剣に聞かなくちゃね」
そう言って幕井はしがみつく由紀の頭を優しく撫でた。
そして由紀が話を切り出した瞬間、遠くから微かにバイクのエンジン音が聞こえてきた、次第にその音は大きくなり、そしてとうとう幕井の店の前でエンジン音が止まった。そう孝之である。
幕井と由紀は顔を見合わせ誰かが来たぞと言った表情でお互いを見つめ合った。
そんな二人を引き離すかのように店のドアが開く音がして、すぐに来店を知らせる呼び出しベルの音が『チーン』と鳴り響いた。
幕井はすぐに「おや?珍しい時間にお客さんだ・・・」
と言って立ち上がったが、由紀は幕井の手をつかんで、振り返った幕井に向かい首を横に振っていかないでと促した。
幕井は「すぐ戻るから、大丈夫だよ」と由紀に微笑んで、肩を優しくポン、ポンと叩いて、店先へと向かった。
孝之の声が微かに聞こえる、どうしてか、居た堪れないほどの不安感と恐怖心が一気に由紀を襲って一歩も動けない、両手を握りしめ、どうかこのまま何事もなく幕井が戻ってきてくれるようにと願う・・・・
店先からガシャンと大きな音が聞こえ、そしてすぐに幕井の叫び声が聞こえた
幕井の声を聞くなり由紀はすぐに立ち上がり、我を忘れ幕井の元へと走った。
事務室を抜け厨房を抜けて店内を見渡すと、幕井が血を流して倒れ呻いていた。
思わず「幕井さん!!!」と叫ぶ由紀。
すると背中を向けていた孝之がこちらを振り向き、あのイヤらしくなんとも嫌な表情でニヤリと笑った
「あぁ、由紀・・・ちょうどよかった、このおっさんを始末したらお前に会いに行こうと思ってたんだよ・・・そう・・・7年前の復讐をするために!!!お前のせいで俺がどれだけ男として惨めな7年を過ごしたか分かるか?分からないよな?今教えてやるよ!ようやくツキが回って来たわ、最高だ、お前の目の前で、お前が大好きなこのおっさんを切り刻んでやる!!よく見てやがれ!!」
孝之はナイフを幕井に振りかざす
「まずは足だ!!!」
そう言って思いっきり幕井の右足にナイフを突き刺した。
店内に幕井の叫び声が響き渡る。
幕井の叫び声を遮るように
「痛いか?痛いよな?恨むならこの女を恨め!!」
と更に孝之も激しく誇張した。
由紀は無我夢中で孝之を突き飛ばし幕井に覆い被さって
「お願い、殺すなら私を殺しなさい!幕井さんにこれ以上何もしないで!!」
と涙ながらに孝之に懇願した。
孝之は起き上がりながら答えた
「由紀・・・その顔だよ、、お前のそんな女らしい姿と絶望した表情をずっと見たかった、この瞬間を待ち侘びたよ、、もうどうなったっていい、、、こいつをぶち殺した後、今度はその表情で俺をもう一度、男にしてくれ」
「来ないで!!!」
店内に由紀の声が響く、それでも孝之は二人の目の前まで歩み寄って
「由紀どいてくれ・・・いいからどけぇー!!」
怒鳴りながら由紀を掴んで幕から引き離そうとする孝之
それでも由紀は必死に幕井に重なってしがみついて抵抗する、更に業を煮やした孝之が厨房へ向かい厨房から幕井の包丁を持って戻ってきた。
「由紀どけろ!!じゃなきゃ二人まとめて刺し殺す!!」
「どうぞ!!あんたみたいなやくたたずに犯されるくらいなら、愛する人と死んだ方がマシよ!!殺すなら殺しなさい!」
『やくたたず』
この言葉は孝之にとって7年間、常に自分につきまとって来たまさに心的外傷であった、付き合っきた彼女達から、一夜限りの女、新卒で入社した会社では1年もたたずに女性社員はおろか社内で噂が広まり、やくたたずの孝之と呼ばれ逃げるように退職した。
そして自分がそうなってしまったのは全て由紀のせいなのだとしてきた孝之にとって、まさに今由紀の口からの放たれた『やくたたず』という言葉は孝之の正気を奪うには充分だった。
「俺がやくたたずだと?・・・・」
孝之は下を向いて震えている
「俺をやくたたずにしたのは・・・・
俺の人生をぶち壊したのはお前だろ!!!死んで償え!!!」
由紀は幕井にギュッとしがみつき、目をつぶった。
孝之は幕井の包丁を握りしめて勢いよく腕を掲げて由紀に向かい包丁を振りかざす。
ドスっという鈍い音。
怖くて目をつぶっていた由紀であったが痛みを感じない。
由紀は恐る恐る目を開ける、そこには由紀を庇うように幕井が目の前に覆い被さっていた、幕井は背中を刺され致命傷を受けたようで、それでも幕井は由紀に向かってニコッと笑い
「由紀ちゃん、、大丈夫、おじさんが必ず守ってあげるから」
と言って由紀の体を覆うように倒れ込んだ
「いやあああぁぁぁ!!!」
由紀の声が店内に響く
「邪魔するなクソジジイ」
孝之が更に幕井にトドメを刺そうと、血がベッタリ付着した包丁を振りかざそうとしたが、急に孝之の動きがピタリと止まった。すぐに由紀にもその理由がわかった、警察のサイレンの音が徐々に近づいて来ている。
「終わった。何もかも、全部」
そう孝之はつぶやくと、厨房の方へと向かって歩き出した。
サイレンの音がもうそこまでという時、厨房から孝之の「うわぁー!」という叫び声が聞こえ、悲痛な呻き声が聞こえる。
「警察だ」という掛け声と共にゾロゾロと人が店内に流れ込んできた。
「幕井さんが背中を刺されたの!!お願い!早く!早く病院へ」
警官は手早く救護班を呼んで幕井を救急車へ、由紀も同乗したいと願い出たが、無傷であった由紀はパトカーに乗せられ、今起こった事の次第を説明する事となった。
その後由紀も念のためにと病院へ搬送され、医師の診察を受け、ようやく亜希と対面した。二人は抱きしめ合い無事を喜んだ。
すぐに由紀は幕井の安否を亜希に伺う。
「ママ幕井さんが私の身代わりになって刺されたの!幕井さんは無事なの?」
亜希は少し表情を曇らせて、
「まだ手術中よ・・・」
由紀はその言葉を聞いて急に足の力が抜けたかのようにその場に座り込み
「ママ、私、、もしも幕井さんが死んじゃったら、、私のせいで死んじゃったら私どうすればいいの、、」
由紀は顔に両手を当てて涙を流す。
亜希は
「きっと幕さんなら大丈夫よ、それにこうなったのはあなたのせいじゃない、だから自分を責めてはダメよ?」
と、優しく由紀の背中をさすって由紀をなだめる。
「違うの、ママ、、私のせいなの、7年前、、孝之さんと問題を起こしたのは私なの、でもこんな事になるなんて、、私が先生を好きにならなければ、ワガママを言わなければ、孝之さんだって普通に暮らせていたかもしれない、幕井さんも刺されずに済んだのに、、私がいけないの、、」
「由紀・・・こんな事になって自分を責めてしまう気持ちはよく分かるわ、お父さんも私達を助けるために自分の命を犠牲にして助けてくれた時、本当に犠牲になるべきは自分だったんじゃないかと思った、今のあなたのように泣き崩れた私を、まだ幼かったあなたはこんなふうに頭を撫でて慰めてくれたのよ・・」亜希は優しく由紀の頭を撫でる
「私は由紀、あなたが居たから救われたの、忘れないでね、ママは何があってもあなたの味方よ、それに幕井さんはあなたのお父さんによく似て強い人よ、絶対にあなたを恨んだりする人じゃないわ、だから一緒に幕井さんを信じて待ちましょう」
二人は亜希の友人で看護師の広美に案内され幕井の手術室前の待合の椅子に腰掛けた、広美が言うに手術が始まってかれこれ3時間が経過しているという。
「広美さん・・幕井さん大丈夫だよね?」
不安げに広美の顔を覗き込む由紀に広美は
「大丈夫!!!、きっと大丈夫よ、なんたってこの病院で一番の名医の竹内先生がついてんだから!」
と気前のいい返事で由紀に答えた。
それから4時間の時が流れ、ついに手術室のドアが開いた医療用のゴーグルを外しながらこちらへ向かってきた。
「担当医の竹内と申します、亜希さんと、由紀さんでしょうか?」
竹内の言葉にすぐ亜希が返事を返した
「そうです!!先生!!容態は??」
その言葉に竹内は表情を曇らせながら喋り始めた
「私どももベストを尽くしたのですが・内臓のダメージも大きく助かりません・・」
その言葉を耳にするなり由紀は泣き崩れた
「ただ幕井さんは辛うじてまだ生きていらっしゃいます。私も医師を始めて25年になりますが、初めての事で驚いているのですが、絶対にありない状況下で先ほど幕井さんは意識を取り戻し、お二人にどうしても会いたいとおっしゃっています、普段ならそれなりの着衣などに着替えて入室していただきますが、1秒も無駄にはできません、どうぞ中へお入りくだい」
竹内はそういうと二人を手術室へと招き入れた、手術室に入ると幕井が手術台に横たわり看護婦や医師に囲まれていた。
幕井は微かに首をこちらに向けて「由紀ちゃん、、無事でよかった、、」
と酸素マスク越しになんとも弱々しい声で呟いた
すぐに由紀は幕井に駆け寄り「幕井さん!!お願い死んじゃダメ!!」と伝える。
幕井は最後の力を振り絞るように手を由紀に向かって差し出した、由紀もそのてを強く握りしめ「幕井さん!!私ね、本当はね幕井さんの事ずっと好きだったんだよ、ホントだよ、私、お父さん居なかったから、人しか好きになれなかったの、変だよね?驚いたよね?
でも、私は幕井さんのことが大好きだった、だから死なないで、お願い、私を置いていかないで、死なないでよ!!幕井さん!!」
由紀は大粒の涙を流しながら、幕井に懇願する、
「由紀ちゃん聞いておくれ」
そう言ってもう片方の手で酸素マスクを外した
「由紀ちゃん、そして亜希ちゃん、ありがとう、この街にきて君たち二人と出会えて、僕は本当に幸せだったよ、ずっと孤独だったから感謝してもしたりない、そして由紀ちゃん、ありがとう、そんなこと言われたら死にたくなくなるな、でも君はまだ若い、僕のような老ぼれにお父さんを重ねて恋心を抱いちゃいけないよ?君はこれから子供を産んで、母親になったり沢山の試練が待ち受けている、だから由紀ちゃんには悲しみも、喜びも分かち合い、共に成長していけるような、共に過ごす時間が1秒でも長く、長生きしてくれる同世代の若者と幸せになりなさい。約束だよ?最後にこんな辛い思いをさせて申し訳ない。でもどうか自分を責めないで居てほしい。約束を忘れないで、必ず幸せになるんだよ」
その言葉と共に、幕井はニコっと笑顔を見せてゆっくりと目を閉じた。
「幕井さん!?ダメだよ!!お願い死なないで、ねえ幕井さん!!死んじゃダメ!!」
取り乱した由紀を看護師が室外へと誘導する、亜希も由紀をなだめながら手術室を後にするが後を振り返って「ありがとう・・・幕井さん由紀を守ってくださって」と小さくささやき、静かに会釈をして手術室を後にした。
数ヶ月後
「幕井さーんウインナーパン持ってきたよ、あと大好きなビールも!」
由紀は墓石に向かって手を合わせ黙祷した。
「美味しかった?ここ最近毎週パンを食べてるから、今日は後でママにあげちゃうね」
蝉の声が聞こえる、今では、あれだけ盛んに鳴いていた蝉達もどこか頼りなく鳴いているように感じる、由紀はため息をついて、空に浮かぶ入道雲を眺めた。
そしてその由紀の様子をフルスモークの高級車から見守る、ある男がいた。
「本当に、これで良かったのですか?」
「あぁ・・・これでいい・・結局俺が近くにいるとまた家族を危険な目に遭わさせてしまったんだ。」
「そーですか?僕は、今回の事が、BOSSが招いた事件だとは思えませんけどね」
「お前も家族を持てば、分かるさ」
「僕は、BOSSの背中を見てきた限りやめときます、だって2回も家族の目の前で死ななきゃならないんでしょ?」
「・・・ZEROだけが全てではない、お前もそれを学ぶために家族を作れ、そしてもう俺は引退したんだ、BOSSとは呼ぶな」
「そんなぁ・・・BOSSの為に今回どれだけZEROのメンバーが動いたと思うんですか?いきなり死体のダミーを用意しろだとか、本当にBOSSは昔から人使いが荒くて困ります、あ!BOSSは嫌なんでしたね?じゃあ・・・本名の高田さん??それとも幕井さんって呼びましょーか?」
「好きに呼べばいいさ、俺はこれからシカゴに飛ぶGiselleに連絡をしてくれ」
「ちょっとBOSS!!まさかまた顔を変える気ですか??無茶だ!!!確かにGiselle姉さんは世界一の整形外科医だけれど、そのGiselle姉さんから8年前これが最後の整形だと言われたことを忘れたのですか!?」
「分かってるさ、だからお前を呼んだんだよ・・・行こうシカゴに」
フルスモークの高級車はゆっくりと走り出した。
目の前から亜希が日傘をさして歩いている、スモークで誰が乗っているか分からないはずなのに、謎の男は確かにすれ違いざま確かに亜希と目が合った。
由紀は墓石に向かって
「さよなら、私約束守るね、どうか見守っていてね。守ってくれてありがとう。幸せになるからね」と言って再び手を合わせ黙祷した。
「由紀ー!!ここだと思った。買い物へ行くんだけど、着いてきてくれるかしら?」
亜希の声に振り向く由紀、「当たり前じゃん!!」と久々の笑顔を見せて亜希の元へと駆け寄り亜希の腕を掴んだ。
亜希もその様子を見て笑顔を見せた。
そしてその時、季節外れの春風のような風が吹いた
由紀の髪はなびき
亜希の日傘は揺れ
ある男は帽子を押さえ込んだ
そして3枚の秋桜が『淡く舞った』
______________
数年後・・・・・
ピンポーン
「ごめん、あなた今手が離せないの!ちょっと出てくれる?」
「あぁ、分かった!春希、少しだけお婆ちゃんとお利口にして待ってるんだよ」
「うん!!」
ガチャ
「こんには、櫻井と申します、本日、隣に引っ越してきました・・・・」
完
淡く舞う6 名もなき書き手 @daizenmakoto
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