第7章:悪と言う名のジャスティス

メタル怪人のメタルバンド!奏でるメタルはデスメタル!

「うわぁー。オラのギター、かなり年季入って来たべじゃー」


「おめえ、東北弁さ直さねえとメジャーデビューしたら笑われるっぺよ」


「ギターさ(は)身体ん一部って事で、おらほだち(自分ら)がぶっ壊されたら保険で修理して貰うべよ」


「ほにほに(本当に)みんな岩手訛りだな!」


かつて学生アルバイトで健気にお金を貯めて遠路はるばる岩手から

夢を追いかけて上京したものの、都会の薄汚れた世情に押し流され

あげくの果てに悪いオジサンに危ない仕事の濡れ衣を着せられてしまい

そういう反社の方に制裁を受け、彼らは意識不明の重体にまでシバかれてしまう。

本来ならばそこで彼らの夢は終わっていたのだが・・・


このメタル怪人によるメタルの為のメタルバンド・・・

メタルのゲシュタルト崩壊著しい、メタルとは何だ!?

そんな感じでシオカワに救出されてメタル怪人として蘇り

メタリックなボディでデスメタル、メロスピメタルなど

メタルをオールラウンドに愛するメタルバンド

「シオカワ・メタル・ウォーリアーズ」は・・・

ここまでメタルと何回言ったのか分からなくなるバンドは

ローカルCMから一気にバズってそろそろ売れそうかな?

そんな時期に差し掛かっていたのだ!


「そういえばよ、この辺でヒーロー警報出てるんだけども」


「まさか、おらほん(自分らの)バンドに乱入さして来るワケねーべ?」


「んったら(そんな)事あってたまっかよ!

 けっぱって(気張って)いくべ!」


夢を掛ける3人にとって怪人業務の傍らで行うこのライブステージこそが戦場!


「せーの!サッコラサッコラ!」の掛け声と共に3人は怪人態で

死の饗宴を映し出すのだ!


「一曲目!デストロイ・ボンバー!」の掛け声と共に飛び出すが・・・


シオカワのダークヒーローであるウルトライダーデストロイが

孤立無援でウルトライダーデュナミスと交戦中!

お客さんは退避されているが、デストロイさんが色々とボンバーしている!


デュナミスも強くなり続ける事複数回、デストロイ相手に対等に渡り合い

火花散らす激闘どころか何発も爆発する様な技を連発している!

何度も言うがこれは決してCGでもVFXでも無い。いいね?

「クソっ・・・これはヤバい!」


メタル・ウォーリアーズさん達は状況を飲み込む事に時間を割かれてしまっていたが

飲み込めるにつれ、ダークネス係数めいたパワーが一気に上昇!

あまり強い方ではない怪人達だったが逆境において

悪の怪人の矜持を見せつける!


「この、あほんだらハクビシンがぁぁ!」

説明しよう!岩手県ではタヌキや猪よりハクビシンの方が厄介なのだ!

奴らは素早く、そして確実に農作物を食い荒らすぞ!


ウルトライダーデュナミスにウォリアーズAが殴りかかるが

流石にパワーアップが止まらないヒーローを前には刃が立たず

吹き飛ばされてしまう!


「危ないです!下がって!」

デストロイが制止するが、ウォリアーズの怒りは収まらない。


「デストロイさん!その、パワーバッテリーをおらほさ分けてけれ!」


「ソレノイド・マニューバを・・・どうするんです!?」


「いつかビッグさなって、もっと良いギターっこ買うからなぁ!?」


「危ないです!爆発しますよ!?」


ソレノイド・マニューバを壊れかけのメタル怪人用ギターに接続すると

別形態のビームキャノンに変形しパワーアップ!

爆炎燃え盛る中、三人のビートを刻むパワーが迸る!


「喰らえ!岩手っこナメんでねぇぞォ!!!」


「必殺!リアス式ブラスター!」


「な、なんだとォ!?」


自称ヒーローの癖に悪党みたいな台詞と共に爆炎に包まれ

ウルトライダーデュナミスは吹き飛んでいった・・・


「はぁ、ギターっこ、もうこれダメかもねこりゃ」


ミュージシャンにとって魂に等しいギターと引き換えに

夢を追う彼らは勝利を得た・・・


後日、メタル怪人においてギターは身体の一部であることが認められ

無事に保険が降りて、新品のギターの購入費用が宛がわれ

シオカワ・メタル・ウォーリアーズは翌週には活動を再開できた・・・


怪人共済では、怪人のアイデンティティである部分!

キャラクターのコアとなっているパーツは眼鏡に到るまで保証します!

いつの日かヒーローを全員殺・・・ボコボコにする日まで我々は戦うのだ!

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