闇堕ちヒーローの強化プラン!パワーインフレを防げ!

みんなはもう忘れちゃってるかもしれないが

学生感覚でつるんでるウルトライダー仲間から財布にされた挙句

ハブられてしまい、シオカワに懐柔されたウルトライダーウイング改め

闇堕ちしてパワーアップしたウルトライダーデストロイは

主に遊園地等のヒーローショーで子供達やご家族にサービスを振舞っていた。

しかし、その間に戦闘力が落ちてしまい、日和ってしまった事に不安を募らせ

休日は修業に明け暮れ、己のダークネスな力を磨きに磨いていたのだ。


「やりましたよ塩河さん!」


ここは例の造成地。技のお披露目には持ってこいのスポット。

ド派手な技を見せてくれるようですね。


「デストロイブレイカー!」


おー。これは高出力のビームが出る剣の様な斬撃!


「ハイパー・デストロイ・ストライク!」


ネーミングセンスはさておいて

巨大な岩が爆ぜるこのキックの威力はなかなかのモノだ。

やっぱり悪の組織にこそ友情と努力が必要不可欠ですが・・・


塩河はタブレットで彼の技のエネルギー量を算定。

本来、高い戦闘力を誇る事は良い事と捉えられがちだが

ご都合主義の展開でより強靭なパワーを手に入れるのが

昨今のヒーローの厄介なところ。


「こちらのキック力ですと、出力オーバーで

 現在の必殺技使用の損害に対する掛け金がかなりジャンプするんですよ・・・」


「え!?めちゃ練習したんですけど!?」


「キックスピードが時速360km/hオーバーしてます。

 あと破壊力も爆発半径が10mオーバーです。後者がちょっとマズいんですよ。」


かつて、パワーのインフレが過ぎた時代にウルトライダーシャドーが現れ

不思議な事を起こしまくって怪人達が散って行ったと言う悲しい過去があるのだ。

元はと言えば彼と敵対していたダルゴム教団が出力の高い怪人を投入しまくって

ウルトライダーシャドーのチートじみた進化を促してしまい

無敵のヒーローを生み出してしまった・・・


そういった点から、強力すぎる怪人や戦闘員には怪人共済では

給与から少なくない額を頂戴し、性能の良い車の様に維持費が嵩む・・・

何より組織のパワーバランスが崩壊して瓦解するリスクだってありえます。

能ある鷹は爪を隠す様にいざという時の切り札としてとっておき

ウルトライダーを殺・・・ボコボコにする時までひた隠しにするのだ!


「いやー。また前線でドガーンとやりたいんだけどなぁー・・・」


「デストロイさん。私は子供たちの憧れるダークヒーローとして働いて

 気さくにサービスしてくれる事に感謝していますよ?」


「そんな・・・僕はそんなつもりじゃ・・・」


「もしも子供達の笑顔を守る時が来たら、私が組織に掛け合って

 いざという時の切り札として出て貰います。鍛錬も良いですが

 お体に無理をなさらないで下さいね?」


強すぎる奴が現れたら何故か周りも進化してバトルがインフレしていく・・・

悪の組織はヒーローを殺・・・ボコボコにする為に

いざという時の戦力は抑えて貰い保険料据え置きでどうにか維持しているのだ!




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