死神兄弟の死闘!正社員契約を勝ち取れ!

「あっ、ダメだよ兄貴・・・そんな、もっと優しく・・・」


「影谷。大人しくしてないともっと痛いぞ・・・?」


シオカワのタダ働き枠と化したダークヒーロー死神兄弟は

ケガをしても自分らでどうにかしないといけないのだった!


ウルトライダーファントムブレイカーに突き刺さった

敵の弓矢をどうにか引っこ抜き

有り合わせの消毒液とか布を張りつけて応急処置をする

ウルトライダーファントムストライカーこと夜神始。


注意名刺デンジャーカードを複数回貰い

間違って身内の闇のウルトライダーをボコボコにしてしまったが

何とか正規のウルトライダーの仕業で誤魔化し逃走・・・

やはりタダ働きである現状には変わりない。

幸いシオカワの空き拠点の廃工場ぐらいは使えるので

雨風を凌げるのだが・・・


「俺達の命はあの焚き火の炎の様に風前の・・・」


「あぁー!兄貴どいてどいてー!」


影谷が良かれとおもって水を持ってきたはいいものの

ザブーンと焚き火がバケツの水で消えてしまい

幸先の悪さは相変わらずの様だ。詩的に語れば死を意味している。

夜神は炎の消えた水浸しの燻る場所をただ茫然と眺めるしか無い・・・


すると、再び、遠くから、メタリックな名刺が飛んで彼らの足元へ突き刺さる!

「これは・・・また復帰名刺カムバックカードを貰えたのか!?やったぞ影谷!」


「さっそくフリマアプリで売ろうよ兄貴ィ!」


「勝ってそれを提出しないと組織に戻れないって言っただろ!この流れ何度目だ?」


手負いの獣こそが最も強い。生きる事に執着した闇の戦士が

ウルトライダーに立ち向かう!


「オラァ!死神兄弟のお出ましだぜェ!」

影谷の小悪党のテンプレの様な恫喝は死亡フラグがビンビンに立っていて

何か不安要素がテンコ盛りだ!


「あぁー。いらっしゃいませ!ささ、こちらへ・・・」

立ち寄ったるは「洋食屋アジト」

ウルトライダーバーニングが経営する創作料理店なのだ!


「でも、俺達、お金が・・・」


「いえいえ!試作メニューを食べて下さると言うお客が来ると聞いてね!

 さぁさぁこちらをどうぞ!」


「うむ。この豆腐とスープのパーフェクトハーモニー・・・

 俺でもなかなか思いつかぬ境地だ・・・」


「夜神兄貴!戦うんでしょう!?早くやっちまいましょうよ!」


「影谷・・・飯を奢って貰った人に喧嘩を売るとか、醜くないか?」


「え?何すか?戦うって・・・?」


「イヤ、こっちの話なんだ。久々にうまい飯を御馳走になった。ありがとう。」


なんやかんやでなし崩しに戦闘にならなかった。

いくらタダ働きの戦闘員にも矜持と言う概念が・・・


「変身!」


「!?」


「シオカワのウルトライダーを易々とは帰しませんよ!?

腹ごなしに戦いましょう!」


「お前、良いヤツだな。まぁこういう展開も悪くない。影谷。やるぞ。」


ウルトライダーバーニングと死神兄弟の激突!

強烈なバーニングパンチに怯む夜神であったが

影谷もパンチでは負けていない!

「ファントム・ブレイク!」

久々の食事でパワーアップした影谷のパンチが冴えに冴えて

ウルトライダーバーニングは近くの川へと吹き飛ばされた!


「やったね兄貴!復帰名刺カムバックカードを提出して正社員に戻ろう!」


「あぁ・・・俺達も・・・あれ?」


夜神は焦った。そして不安は的中する。さっきの戦闘中に

復帰名刺カムバックカードが粉々に砕けて

原型を失ってたのだった・・・


「影谷。俺達には夜が似合う。光を求めるな。」


「イイ感じに言ってるけど、要は兄貴のミスって事だよね?」


みなさんも戦闘中にお手持ちのモノを壊さない様に注意しましょう・・・

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