ウォッシュ！ロックスター怪人MAIGOの大誤算！
「いやー、マジ最近、SNSっすわ」
「何かお困りなのですか？」
「え？最近なかなか寒いって感じで・・・」
常に指貫きグローブでキメポーズを取り「ウォッシュ！」と言うキメ台詞を絶やさず
ローカルのお掃除番組で奥様方に人気を誇るロックスター怪人MAIGOさん。
彼もまたシオカワの広告塔であり、普段のタレント活動は世を忍ぶ仮の姿。
の筈だったのだが、なんと、テレビの収録中にイケメン俳優としてモテモテである
ウルトライダーディサイドの正体である
「塩河さん・・・ちょっとMVPですよォ」
「とはいかに？」
端末通信だといよいよ言葉の意味が分かりません。
「マジベリーピンチです」
ちゃんと結論から話していただければ話は早いのですが事件の予感！
この街に涙は似合わないぜ！怪人共済はヒーローボコるべし
怪人愛すべしの企業理念の元、日々暗躍しているのだ！
ドスブレードを忍ばせ、怪人共済の営業マンは道すがら路上喫煙してた
ウルトライダーパンサーを背後からズブリと千の風にしてやってから
現場へと急行するゥ！
向かいましたるはテレビ局！刃物の様なものとか返り血は
怪人共済営業マンの日常です。親の顔より見た警備員なので顔パスだ！
ロックスター怪人のMAIGOさんは・・・控え室で小鹿の様に震えている！
「塩河さんマジヘルプです。次、あのウルトライダーと・・・」
なんだ？対決か？やらいでかオラァ！？
と先ほどの血の匂いに興奮して息巻いてましたが
「いや、大喜利対決なんですよォ。アイツ強いから
怪人ネタ使ってバレたらボコボコにされちまいますよォ」
悪の組織では笑顔を絶やさずに行動する為に常にお笑いセンスが問われる。
つまり！お笑いでの敗北は死を意味するのだ！
子供たちのみんな！笑顔と優しさを忘れてはいけない。いいね？
しかし困ったモノです。シオカワ怪人特有のお笑いの流れ、リズム。
もしもウルトライダーに勘付かれてバレてしまっては・・・
放送事故の保険なんてありません。
何よりMAIGOさんは大喜利が苦手。お笑いに関しては
お爺ちゃんが総理大臣だったトークとか生まれ持った育ちの良さから醸し出す
天然トークで笑わせる以外にアドリブギャグのセンスは迷子なのだ！
ここは収録前の事故を装ってディサイドさんを殺・・・ボコボコにすべきか？
そうすれば私の懐にがっぽり入りますが私利私欲に走る者ほど
破滅への地雷を踏みぬくモノ。ここは真っ向勝負だぁ！
MAIGOさんにはタレント業の有名税として
多額の生命保険契約を掛けて貰ってます。急場仕込みのネタ作りです！
スッポングランプリ！お題！
「こんな悪の組織は嫌だ」
いきなりのキラーパスだぁー！テレビ局の奴ら後で
殺・・・ボコボコにしてやりたい！
ピンポーン！
機先を制された！ウルトライダーディサイドが答える！
「悪の組織なのに保険入ってて福利厚生がしっかりしてる！」
スッポーン！！
こんなのノーカンだぁー！我々はヒーローにボコボコにされまくって
みんな保険でどうにか賄ってるんだぞ！破滅しろ偏向報道！
MAIGOさん、頑張ってください！
「問題。こんな悪の組織は悪い奴らじゃない」
ピンポーン！
MAIGOさんが答える。
「改造手術でちゃんと麻酔してくれる」
スッポーン！
そうだ！怪人の手術では最新の麻酔技術に医療特約を投入し
強化改造手術で怪人様に負担が掛からない様に日々研鑽を積んでいるのだぁ！
こうして、スッポングランプリは進んでいき
悪の組織ネタでボケにボケまくったロックスター怪人MAIGOさんが
また世の奥様方を魅了する事となった・・・
例のイケメンウルトライダー俳優に正体はバレず
仲良くウォッシュポーズで写真をパシャリ。やっぱり平和が一番ですね！
「ところで塩河さん、スーツに返り血みたいなの付いてません？」
「あぁ、かき氷食べようとしてイチゴシロップ零しちゃって・・・」
「今度、お掃除番組のついでに塩河さんのシャツをウォッシュ！
しちゃいますよー！」
嘘は方便と言いますが、面倒な事にもなると知った塩河であった・・・
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