ダークネス係数最強の人間・・・その名は・・・

悪の組織では直に肉体にダメージを受け、傷つき

時に還らぬ人になる事があります。なんか今回は暗いですが

心が傷ついて、命に係わる・・・これって現代社会の抱える闇ではありませんか?

我々悪の組織は戦い=光と闇の果てしないバトルですが

早ければ子供の間に、遅くても社会に出る頃には

生きる間に何らかの戦いを強いられる事でしょう。

理不尽と言う名の敵を相手に・・・


怪人になる為のダークネス係数は精神が感じるストレス。

身の危険。メンタル疲労感。厭世観。そういった負のオーラが数値化して

その高さに応じて高負荷の改造手術に耐えられるかどうかを計測するのです。


この現代ではだれもが戦っている。

誰もがみな夢のヒーローになりたいでしょう。

しかし、生きてる間にヒーローになれるのは誰かの為とか

そういうエネルギーが有り余ってる人間にしか務まりません。


残念ながらこの世界のヒーローと言うのは謎エネルギーに曝されて

強くなったは良いモノの、何故かシオカワのシノギを邪魔して

怪人達をボコボコにして街を壊す。いつの間にか特に理由もなく

雇用不安の社会が悪いと言い張って日銭を稼ぐ我々を集る。

正義とは最悪の場合、本人のエゴでしかないのです。


しかしヒーローにやられる事で我々は強くなる。

そう。ダークネス係数が昂り、守る事と戦う事のジレンマに苛まれる

悪の組織こそ強いヒーローが現れる毎に怪人共済の保険金で賄い

戦力を刷新して強化を繰り返してきました。

その過程で文明が発達したと言っても過言ではありません。


だけど、日常で辛い思いをしてるからって自分だけが辛いとか思わないで下さい。

誰もがどこかで苦労して挫折して、だけど笑顔の涙の途中で終わりたい。

そんな安いプライドを乗せて生きているのです。


どういうワケか人は不幸自慢が好きな生き物です。

それでマウントポジションの取り合い。

謎の椅子取りゲームをするのなんて悪の組織から見れば

悪趣味なお笑いコンテンツです。

悪の組織シオカワではヒーローに街を脅かされ

ダークネス係数が積もりに積もった

本当に不幸な者達が助け合い、爪を研いで暮らしているのです。

ダークネス係数と言うのは要するに不幸指数。

その不幸の物差しが数値化した悪の組織・・・


数年前にシオカワに入社しダークネス係数最高値を叩き出したその人間は

現在、怪人共済で最前線の戦士達を助ける為に奔走している・・・

怪人共済:営業部・塩河迫。

彼のダークネス係数は現在に至るまで更新されず

怪人への改造を躊躇われる程に・・・心の闇を抱えているのだった・・・

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