元祖にして至高!ウルトライダーファーストの脅威!!

この世界で最初に謎パワーに目覚めたウルトライダーファースト・・・

各地で過激な作戦を仕掛けていた昭和時代のシオカワを

一人でボコボコに叩きのめし悪の組織の間では有名な伝説的存在である。


製造した怪人の再生、強化の必要性、そして怪人保険の制度を導入し

組織の助け合いやリスクマネジメント、幹部のパワーハラスメント防止に努め

相手の少なさに油断しない持久戦へともつれ込み

現代に至るまで増え続けるウルトライダーとの闘いは続いているのだ!

平成末期になって勢力を拡大させたんで調子がノリに乗った

悪の幹部:ファントムクオーターが「お前らの時代って醜くないか?」

と言ったら王様系ヒーローのウルトライダー蔵王ザオウにボコボコにされたり・・・


そんな中で現代っ子ウルトライダーの世代は彼の凄さを知らない者もいる。

必殺の蹴りことウルトライダーストライクは彼らの基本の技である。

それを各々の必殺技に組み込む事で強くなり続けているのだ。



「ぶっちゃけて言うと初代ってどうなのよ?衰えてるのでは?」

と言うのは新人ウルトライダーこと、変身の長い事で知られる

ウルトライダーシグマ。いつかライバル契約をしたドリル怪人を

背後から不意打ちして重傷を負わせた鬼畜ヒーローの一人である!

最大のネックだった長時間のシャウトを要する変身プロセスも

シオカワが製造していたご老人向けの低周波治療器を強奪して

変身ベルトに魔改造し瞬時に変身する事が可能となってしまう。


人は好きな事にのめり込むと周りが驚く進化を果たすから恐ろしい。

どっちが悪人なのか・・・正義と言うのは暴走するモノです。



彼は相手を一撃で刺し貫くバイオレンスクローの持ち主!

「緑の通り魔」と呼ばれるぐらい強くなってしまい

その破壊力によりウルトライダーストライクを使用しなくても

ある程度勝ててしまって調子に乗っていたのだった。


そんな中で喫茶店を営み、コーヒーをじっくり淹れる事で有名な

東郷弘とうごう・ひろしはキャンピングカーを駆り

趣味の探検サバイバルに行こうとしていたが

ウルトライダーシグマの戦闘に遭遇し、昔の血が騒ぎだす。

「ハッハッハ。若いって素敵だなぁ。」ダンディなボイスで

コウモリ怪人ベルゼバットの前に現れると表情は一変する。


「ウルトライダー・・・変!身!!」

これは昭和のダイナモのオノマトペ。空高くジャンプすると伝説の

ウルトライダーファーストに変身するのだ!


「なにィ!初代ウルトライダーだとぉ!?」

彼の伝説は怪人千人蹴り等、多岐にわたるが

今では現実味が無くて信じないヒーローも居るらしい。

特に最近の若い子は実力を過信してたりするんで

初代の面影を知る由も無いのだ。


「あのー。俺が戦うんで、いいっすよ。」


「何を言ってる。後でコーヒー飲ませてやるから一緒に遊ぼうじゃあないか」


もはや歴戦のウルトライダーにとって怪人との闘いはトレーニングなのだ。

だから今では怪人を殺さずにボコボコにする程度で許して貰って

「まだお前は強くなれる!」と何故か師匠ポジションになり

あらゆる怪人達とライバル契約を結んでいる。

ファーストと対等に戦えようものなら新入り怪人であろうと

いきなり出世できたりするのだ。


「トーウ!」

水の入った金属のバケツを殴る様な音と共に

ベルゼバットはボコボコにされる。

私、塩河しおかわにとってはウルトライダーファーストの顔は

親の顔より見たと言っても過言ではありません!


出来ればもう少し粘って貰いたいですが・・・


「ウルトライダー・ストライク!」

昭和よりも激しいエネルギー量!

ここで怪人共済の爆発担保保障を適用しますが

元祖ウルトライダーの蹴りと言うのは爆発抜きにしても

モロに受けると最悪怪人引退モノのダメージ。

コウモリ怪人ベルゼバットは連戦の疲労で

かなりダメージを受けていたので撤退を余儀なくされました・・・


「ウルトラやばいぜ・・・」

ウルトライダーシグマは初代をナメていただけに開いた口が塞がりません。

「何だその言葉遣いは!?君、武士道がなっておらん。一緒にトレーニングだ!」

彼は初代ウルトライダーの探検隊に無理矢理加入させられる事に。


怪人共済では昭和ウルトライダーとの遭遇に際しまして

掛け金が高くなってしまいますが

「対昭和レジェンドプラン」の適応を広く推し進めています。

どういうワケかヒーローの元祖が未だに強いのがこの世界。

若い怪人達は「まさか」と言って契約を渋る方が居ますが

大事故で帰らぬ怪人になっては遅いのです。

どうぞご検討の程をよろしくお願いします!



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