この小説を読むためには、星新一の諸作を読み込まねばならない。「読めば読むほど面白くなる」パロディはパロディの理にかなっている。そして、星新一の共通する登場人物が作中に登場する(読者にとって愛着がある)という点も評価されるであろう。この小説で描かれる事件は、パロディだからこそ使えるものである。パロディの特権とやらがどうやらこの世にはあるようだ。そのことを改めて意識させられた。オチも素晴らしい。つまりパロディ史上最高傑作ということだ。