異能グランプリ

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開会式

―さぁ、始まりました、『第17回異能グランプリ』。実況を担当します、私、深川 誠と申します。本日は解説に、異能研究の第一人者であり、この異能グランプリの創始者でもあります、水谷 浩一さんをお招きしております。水谷さん、よろしくお願いします。


――よろしくお願いします。


―さて、この異能グランプリも17回を迎えました。改めまして、水谷さん、近年の傾向についてはどう見られますか?


――正直ねぇ、ちょっとこう、マンネリ化してきてしまっている感は否めないんですよね。


―と、言いますと。


――開催初期はね、まずは異能の分類から始めて、どんなタイプがあるかであったり、何をもって勝者とするかであったり、色々と議論の余地がある部分もあったりしたんですけどもね。近頃は、能力が出尽くしてきてしまっているような感じがして。


―昨年のグランプリは『体から無限に花を出せる能力者によるフラワーアート』が大賞となりましたよね。


――そう、近年は特にアート系の活躍が目立ちますね。本人のもともとの才能と異能との組み合わせ、でしたか。毎年傾向が変わってくるのは、それこそ「異能」らしくていいことだと思いますのでね、今年はまた違う角度からの異能者の活躍を期待したいですね。


―おっと、ここで選手の入場です。分類別となっているようですね。まずは自身の体を変化させる「体組成変化型」の異能から。


――昨年の大賞者もこちらに分類されますね。代表的なのは初代大賞者の「全身発火」でしょうか。


―会場に飛び火してあわや大惨事となりかけたのも記憶に新しいです。続いて、「特異能力型」。


――サイコキネシスやテレポートなど、かつては超能力と呼ばれていた異能ですね。見た目の地味さが課題となりがちの部門でもあります。


―コアな異能ファンにはたまらない部門とも聞きますね。続いては、「肉体強化型」。体の一部の能力を特化させた異能ということですが。


――こちらはドーピング検査が一番厳しい部門ですね。近年、異能をさらに特化させるためのサプリメントなども開発されてきていますので、本人のトレーニングとの掛け合わせで更なる異能が生まれる可能性も期待されています。


―さぁ、選手が揃いました。ここからは分類別に種目が展開されていきます。


――まずは体組成変化型からですね。

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