ばんっ!(高校生)

 土曜日、高校が休みの二人。

 A子の部屋でローテーブルを挟んで宿題。


 A子「ばんっ」

 という声と同時にB子の胸になにかが当たってポトりと落ちる。宿題の上にのったそれをB子が見ると輪ゴムだった。

 B子「遊ばないの」

 と、視線は下へ向けたまま輪ゴムをつまんでA子の宿題の上へ置く。


 A子「もう終わったんだもん」

 B子「じゃあおとなしくしてて」

 と、相変わらず視線は下へ向けたままのB子。聞いたA子は口をとがらせて輪ゴムを手でもてあそぶ。


 そんなとき片手で伸ばしていたゴムがズレて飛び、A子のひたいに当たった。

 A子「あいてっ」

 B子「?」

 顔を上げたB子が見るとA子がひたいを手でさすっていた。

 ちょっとだけ涙目で。

 A子「ぶっけたー」

 そしてその眼差しでB子を見つめる。


 ――バキューン! A子の視線にハートを撃ち抜かれてしまったB子は、胸を手で押さえる。


 B子「……ッ」

 A子「どうしたの……?」

 と、うるうるした瞳のまま小首をかしげるA子。


 ――バキューン! とどめをさされたB子は胸を押さえたまま、横へと倒れこむ。


 A子「もう。遊ばないの」

 B子「A子のせいだよ」

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