いねむり(高校生)

 授業中。

 A子の方を見るB子。


 B子(A子ねてる。しかも机にがっつりかぶさってるし)

 B子(こっそり寝ようとしないところがA子らしい)

 B子(気持ちよさそうだなぁ)

 B子(起こしたいような、そうでないような)


 黒板に文字を書いていたC先生が振り返り見回す。

 C先生「えーっと、じゃあこの問題はっと……」

 A子が目にとまる。

 C先生が「A――」と言いかけた瞬間、B子は手を挙げて立ち上がった。


 B子は考えていたのだった。

 B子(やっぱりA子の眠りをさまたげるわけにはいかない)

 B子(私がA子の安眠を守る……!)


 ということで、

 B子「はい! 先生、私わかります」


 ――授業後――


 A子がB子のところへあくびをしながらやってきた。


 A子「ふぁー……よくねた」

 B子「いねむりはダメだぞ」

 A子「うん。そういえばさ、さっきB子が全部答えてたね」

 B子「Cちゃん先生が動揺してたけどね……ってあれ? 起きてたの」

 A子「B子が元気よくて目覚めた」

 B子「な、なんだって……ごめんね」

 A子「ううん、ありがとう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る