おしごと(社会人)

 オフィス、A子のデスク。

 同僚のB子がやってくる。


 B子「よっと」

 後ろからA子の両肩に手を置く。

 A子「ん」

 少し振り向いて目を合わせ、またパソコンに向かう。

 もにもにとA子の肩をもむ。


 B子「あぁ~これはだいぶこってますねぇ~」

 A子「そうかな……。それよりどしたの」

 B子「なにかひらめかないかなーって思って」


 A子「ふーん……。なにかほかの作業してみたら」

 B子「今とっても大事なお仕事をしています」

 A子「そうなの」

 B子「A子の効率を上げるお仕事です」

 A子「そっか。でも、たしかに気持ちいいけど、アレだな」

 B子「アレ……?」

 A子「うん。うれしくて、逆に集中できない」

 B子「な、なんだって……!」


 振り向いて目を合わせるA子。

 A子「交代。私はやること大体終わってるから」

 立ち上がり、B子を席に着かせる。B子の肩をもむ。


 B子「あぁ~これはたいへんグッドです~」

 A子「終わったら戻ってがんばるんだよ」

 B子「ねむりそう」

 A子「ここではやめろよ。いや、向こうでもだめだけど」

 B子「へへー、どうしよっかなー」

 A子「怒られてもしらないぞ」

 B子「うーん……あ、思いついたかも、解決法」

 A子「そう」

 B子「A子に考えてもらうー」

 A子「こいつめ」

 手を強めるA子。

 B子「アイテテ、うそうそ。もう戻るからだいじょーぶ」


 手を止めてB子の肩に手を置くA子。

 A子「思いつきそう?」

 B子「うん。頭からっぽにできたから」

 A子「ほー。私との会話は頭つかわなくていい程度、と」

 B子「えっと、そうじゃなくて、余計なこと忘れられるんだ、A子といると」

 それを聞いて微かに笑みを浮かべるA子。B子の頭に頬を寄せる。


 A子「そう。じゃあ残りもがんばって」

 B子「うん」

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