おんがく(高校生)

 放課後、A子の部屋。

 ベッドに座りA子がギターをいじる。

 B子はローテーブルで宿題に取り組む。


 ピーン、ピーン、ピーン。

 同じ音を鳴らすA子。


 B子「なにか弾かないの」

 A子「うーん、じゃあ――」


 ちょっとしたメロディーを奏でる。


 B子「かっこいい。なんの曲?」

 A子「今考えた。『夕飯のおかずはなんだろな』」


 B子「そうなの。どちらかといえば『B子愛してるぜ』って感じだったよ」

 A子「まじか」


 B子「音には奏でる人の心が乗りますからね。うんうん」

 A子「奥深いな」

 B子「あと、ちょっと急いでる感じがあったような……」

 A子「そこまでわかるんだ。実はちょっとトイレ行きたい」

 B子「おお、当たった」

 A子「音楽すごいな」


 B子「あと宿題の影がチラついていたような……」

 A子「なるほど。奏でる私じゃなくてB子がすごいんだよ」

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