15こめ
4/7
そこにあるのはなんですか
一つの命ですか
私にはそれが綺麗に見えません
たった一つだから何だって言うんですか
一度きり一度きり、うるさいと思います
あなたに用はありません
わたにも用はありません
今死のうがどう死のうがどうだっていいのです
ひとつしかない命、永遠の命。いっしょだとおもいます
いのちに回数ができたところおんなじ物ですから所詮
私には違いがわかりません
この世界この宇宙
大切なものはなんでしょう
本当に大切なもの
たった一つでもあるのでしょうか
私たちが大切にして、愛しんで生きるべきもの
そんなものはこの世界に、この宇宙にあるのでしょうか
私はそうは思いません
みんなみんな
どうでもいいものの上に成り立っている幻影だと
私はそう思っているのです
虚無こそ本物です
この世界の根本原理は空虚そのものです
そうだ私たちは空虚を愛するべきなんだ
空虚を抱き抱え
大切にして
空虚に生きる
それこそが本当の生き方なのです
この世界は全て幻のようなもの
嘘だらけで
大事なものなんて何ひとつない
妖精の世界です
私たちのものなんてどこにもなくて
全て幻で陽炎のように舞い続ける放浪者なんだ
私たちは空虚としりながら
虚しさを抱えながら
空虚そのものを愛し
愛を否定し
虚しさを抱えて
虚しさに口づけをしながら
全てわかっている
本当は全部幻なんだ
この宇宙に本当のものなんて一つもないんだ
とわかっていながら死んでいくんだ
この世界は幻で
本当に大切なものなんかは一つもなくて
命もどうでもよくて
愛もなくて
ただ空虚を知りながら生きていくんだ
私たち虚しい空っぽの生き物
私たちは空っぽの妖精
どうでもいい世界でふよふよしている妖精です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます