10こめ

鈍く揺れるカーテンの隙間から

どんどん出てくる

味のしない

しけった

鬱々とした

コオロギの死体


わんさか湧いてきて

淀みなく湧いてきて

それはそれは恐ろしくて

頭はもう空っぽなんです


カーテンから淀みなく

湧いてくる

鬱々とした

虫の死体が


憧れに似ているような

運命の死体のような


青春

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