地に帰る
鼓膜騒音
遠い世界
ある日、私は通ってる小学校から帰宅した。
都内の住宅地に私の家がある、家は小さいがある程度遊べるくらいの駐車場兼庭がある。
今日は親が出かけてるのか車がない。
私はランドセルを家に置き、放課後遊ぶ約束をしていた友達と合流した。
二人で自転車を漕ぎ、近所のペットショップに行く。これが日課だ。
私も友達も犬猫が好きだ。飽きるまで犬猫を見て、そのあとはペット用品を見る、私も友達も特に動物は飼っていない。
ペット用品のコーナーには無料配布の犬の餌のサンプルが置いてある。小さい袋に少しドッグフードが入っていて、特に購入しなくても持って帰ることが可能だ。
私と友達は一袋ずつサンプルを持ち、私の家の庭で遊ぶことにした。
家に着くと、突然目の前を鳥が掠めた。
うちの庭は狭いので鳥なんかいたらすぐわかる、だが、鳥がいるなんて気づかなかった。
あ、もしかして自由研究で作った巣箱に鳥が入ったのかもしれない。
私と友達はさっきの鳥が戻ってくるように巣箱の入り口に、ペットショップで貰ってきた犬の餌を数個置き、家の中で待機することにした。
一時間ほど二人でシールを交換しながら、お菓子を食べた。今人気のシールは厚みのある触り心地の良いシールだ。
私たちは巣箱を見に行くことにした。
玄関を出て巣箱を見ると、置いておいた餌がなくなっている。
鳥が戻って来たんだ、私は巣箱を固定しているワイヤーを外し巣箱を覗こうとした。
すると、巣箱を手に取ったと同時に鳥が中から飛び立った。
私は驚き巣箱を地面に落とした、その拍子に何か中から出てきた。
地面に落ちたのは巣箱と小さな卵だった。
飛び立ったのは母鳥だった。
小さな卵は落下した衝撃で割れ、中からピンク色の雛になりかけたものが透明の液体を纏って卵のかけらの間から覗いている。
私と友達はしばらくそれを観察し、罪悪感から庭の真ん中に埋めた。
私たちは埋葬を終え近所の公園で滑り台をした。
飽きるまで滑り台を滑り、また庭に戻る。
そして何気なく、埋葬したところを掘り返してみた。
埋葬から30分も経っていなかった。
土の中からは蛆虫が湧き出た、そしてすぐに土の中に消えていった。
そこには何も無くなっていた。
そして私は公園にまた戻り滑り台を滑りその勢いで遠くへと飛んでいった。
地に帰る 鼓膜騒音 @aren1234
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。地に帰るの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます