第92話 羊は時に追われる我が身を嗤う(9月15日)
強引に物事を進めていく能力というのは、非常時においては有益である一方、常態化すると全体の疲弊を招いてしまうという問題がある。
ワクチン接種の拡大に向けて指導力を発揮したというのは、これが非常時であるからで、常にこの方式をとっていては現場が耐え切れず輪ゴムのように弾けてしまう。
その塩梅を見極める必要があるのだが、一度それで成功を体験してしまうと美酒のように酔ってしまい、繰り返すだけとなってしまう。
そうなった時の反感というのはどれほど大きなものとなるか、後になって当人は気付くこととなる。
これを自民党総裁選の話であると考えた方は世の中に通じた大人であり、実際には私の仕事の愚痴に過ぎない。
ただ、こうした人間観察を行いながら仕事に当たっていると、収入が理不尽に対する我慢料であるという言葉は金言であると気付かされる。
それと同時に、諦観を以って眺められるうちはまだ花と言うべきか、これが内省的になり過ぎてしまうと心が折れてしまうこともある。
故に、程よく世を斜めに眺める能力というのはあった方が良いのではなかろうか。
その一方で何事も批判ばかりに走ってしまっては、向けたはずの刃によって自分の心が先鋭化してしまい、同時に細くなってこれまた傷つけてしまう。
まあ、これくらいはしょうがないかと笑うぐらいの余裕が在った方がどうにも幸せなようである。
まだ酒と肴を楽しむ余裕があるということは、ひどく悪い状況でもないのだろう。
ほどほどにまた過ごしていくこととする。
【本日の出来事】
◎池袋暴走 被告控訴をせぬ方針公表
この件についてはあくまで個別で判断するべきで、今後の美談としてはならない。
あくまでも控訴は被告人の権利であり、下手にその抑圧が続けば三審制が形骸化してしまう。
一寸先は闇であり、いつ自らに跳ね返ってくるかも分からぬ。
人に寛容であることは一つの守りであるのかもしれない。
◎米価格二年連続下落の見通し
外食産業の需要落ち込みに伴い、価格が下落しているとのこと。
先月米を買い求めた際に酷く安いなと感じたのだが、感覚はどうやら間違っていなかったらしい。
農家にとって死活問題ではあるのだが、巣籠すると日本人は米を食わなくなるというのだろうか。
それとも、飲食業界が苦しいながらも良い価格で白米を仕入れて米農家を護ってきたのか。
いずれにせよ、白飯を愛する人間としては色々と考えさせられる。
【食日記】
朝:たまごロール
昼:ヌク
夕:唐揚げ、ユッケ風おにぎり、豆腐グラタン(ミートソース)、ウィスキーお湯割り2
他:オレンジジュース、おーいお茶
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