第89話 自由の鎖(9月12日)

 スマートフォンの買い替えに振り回された一日であった。

 手続き自体は二時間ほどで終わったため然程の疲労感はなかったものの、データの引継ぎや保護シートなどを買い揃えるのに時間を要し、振り回されたものである。

 人が機械を使役するのか、機械が人を使役するのかこれでは分からぬなと苦笑しながらも丁寧に行っておかねば仕事に支障をきたす。

 それが片付けば後は操作感に慣れるだけであるのだが、これはもう触れるより他にない。

 大きさの違いはアプリの配置を工夫することでクリアし、片手での操作も可能となった。

 これで十二分に使えることだろう、その代償として日曜日に上梓する作品を忘れてしまい、大いに慌てることとなったのだが。


 それにしても面白かったのが、種々の説明が兎に角丁重であり、それでありながらいかに時間を短くするか考えられたところである。

 以前の携帯ショップであれば、機械で一〇分ほど待てと整理券を受け取ってから一時間以上待たされることもあったが、来店予約や人数の確保なので整理がうまくいったのであろうか。

 それとも単に私の気が長くなったのかとも思ったが、直後のコールセンターとのやり取りで機械音声に苛立ちを覚えたのでそうではなかろう。

 契約自体は丁寧にやらねばならず、そこに怒ってもどうしようもないがどうしても疲労はたまる。

 いやはや現場の対応には頭が下がるばかりである。


 逆に言ってしまえば、それ程に我々は店側を恐れさせる存在となりつつあるのだろうかと思ってしまう。

 システム的な改善により早くなった分については嬉しいのだが、酷く丁重な対応には何かへの恐怖があるように感じる。

 そのため、お客様アンケートは丁寧に答えたのだが、残るは細分化され過ぎて店員も困っていたコールセンターのたらい回しの改善ぐらいではなかろうか。

 後は我々も構えて落ち着くより他にあるまい。

 機械と時間に人が使役されてなるものか、とせめて高楊枝でいたいものだ。


【本日の出来事】

◎大相撲秋場所開幕

 何もかもが無事に終われば良いのにというのは私の我儘なのであろうが、完璧は無理にせよ可能な限りの対応に取り組んでいる興行は応援したい。

 演劇であれ、音楽であれ、運動であれ文化の灯火は消えずに在ってほしい。

 そして、それは飲み屋も同じであるのだが、その想いが届くのはいつの日か。

◎比叡山焼き討ち四五〇年に合わせ法要

 この日、織田信長と明智光秀の子孫を招いたとあるが、中々に興味深く拝見した。

 ただ、これをやるのであれば本能寺ではないかというのはあまりに皮肉が過ぎるか。

 

【食日記】

朝:ヌク

昼:鶏タル天ぶっかけ、麦飯、野菜かき揚げ天、コロッケ

夕:煮込みラーメン(醤油-葱、玉葱、豚、鳥)、焼酎

 これを書き記しながらキャベツを消費するのを忘れていたのを思い出す。

 通りでボリュームがと思ったのだが、やはり飲みながら作ると片手落ちとなりやすい。

 さて、これはどうしたものか……。

他:お茶

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