第86話 月に向かってそれは抛れず(9月9日)
昨日、部屋の片づけの話をしたので、今日はその発端となった私の収集癖について話をしたい。
いや、そもそもごみを捨てずにいるだけであるから収集癖などとたいそうな名前を付けるのはおかしいと言われてしまいそうだが、それはまあご愛敬ということで。
何分、この性分は子供の頃から付き纏っているので、こうとでも言わないと私も立つ瀬がないのである。
何卒、ご容赦いただければ、幸いである。
さて、ここまでご覧いただけた読者の中には、私の悪癖を既に見破られた方もいらっしゃるのではなかろうか。
はて、という方はぼんやりとこの文章を眺めていただきたいのだが、スマホでは難しいであろうから早々に答え合わせをしたい。
即ち、自分で定めた規則性を重視し、それにこだわってしまう点である。
嘘だ、という方には確かめていただきたいのだが、ここまでの文章は全て三文字目に読点を置いて二個の読点で一文にすることを規定している。
ただ、これだけではあまりに情報が少なすぎると思う方もいらっしゃるだろう、それも理解できなくはない。
然し、東京オリンピックの時もそうであったように、時に頭をもたげてくるから厄介なのである。
話と文の形を戻そう。
この規則性に対するこだわりであるが、片付けと合体すると厄介なものとなり、しかもそれを維持するのが酷く難しい。
やがて自分で決めたルールを無視するようになり、気付けば散らかり放題の家となる。
何度も通ってきた道であるため、今回の片づけではかなりその辺りは適当に進めている。
そして、無理に維持しようという意思は最初から捨てている。
もう一つ悪癖があるのだが、それは一度手にした物を見捨てられぬというものである。
「月夜の浜辺」ではないのだが、捨てようとしても手にしてしまうと偲びず、そのまま家にあることを許してしまう。
その結果、物は増えていく一方となり、贅肉のように溢れ出してくる。
そこから詩のヒントを得たこともありはするのだが、もう十年以上も前の話である。
「いつか使う」ほどあてにならぬものはない。
といって、使うものだけを残しているわけではないのだから、余計に質が悪いのだが。
このようにして片付けをしながら原稿を書いているうちに公募作品も完成したのだが、部屋の散らかりの言い訳を散々にしておきながら、結局は私自身の自堕落が生んだ結果でしかない。
せめて今年の冬までには……と思って数年経つが、変わらぬ現状をそのままにするわけにもいかぬため、しばらく片付けを続けていくことにしたい。
その後にはパソコン内部の片付けがあるのだが、これはもう連歌の月と花の方式でやってしまおう。
つまり、出るに任せよ、咲くに任せよである。
おそらく片付かぬだろう。
【本日の出来事】
◎ヤフー 阿蘇山噴火の誤通知
ツイッターのトレンドで目にした時にはてと思ってしまったのだが、誤った情報であると分かると大喜利のようにして広がったようである。
執筆に時間を割いていたため細かくは追っていないが、一服の清涼剤となったのは確かであった。
決して褒められたことではないのかもしれないが、かといって目くじらを立てるほどでもない。
それくらいのゆとりは常に持ちたいものだ。
◎東京など緊急事態宣言の延長を決定
その一方で経済活動の正常化に向けて、制限の解除要件を整理しているというのは地味ながら重要である。
慎重な意見があるのも重々承知しているが、過度の巧遅も過度の拙速も等しく有害である。
時に果断であるべきことがあるのだが、個人としての対策はしっかりと続けたい。
【食日記】
朝:卵かけご飯
昼:鴨出汁蕎麦
夕:ベビーチーズ2、キャベツと豚肉のカレー炒め、芋焼酎
他:プリン、珈琲、お茶
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