勇者、再生

バネ屋

最初の記憶



一番古い勇者としての記憶は、今から1000年前。


田舎の教会の牧師の二男だった僕は、15歳になった日に勇者として神託を授かり、王都へ招聘された。


それからは勇者として、日々魔物と戦い、美味いものを食べ、女を抱き、パーティーメンバーにも散々手を出した。

調子に乗っていた。 誰も僕には逆らえなかった。 王家の者さえも。


そんな日々を続けていたが、本来の役目であった魔王は倒した。


でも、そこから状況が一変した。

僕は用済みになったのだ。


僕に寄り着いていた女や貴族たちは、僕のことなんて見向きもしなくなり、僕を居ない者とした。

聖剣は王家に没収され、僕は国外へと追放された。


生まれ故郷へ帰ることも許されず、彷徨い続けた挙句、野党に襲われ命を落とした。


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