第三章・森のわが家

(ここまでのあらすじ)


 宣言通り、忘れた頃にやって来た新章。これまでの内容を忘れてしまった方のために、軽くあらすじをおさらいしておこう。

 なお、忘れていても特に差し支えない。


 ~~~


 ハクロ少年が丘の上でお昼寝していると、通りすがりの王子がいろいろ勘違いしていきなりキスしようとしてきた。

 そこへ小人の赤松と木こりのジャックが駆け付け、三人から猥褻わいせつ未遂行為について厳しく追及された王子は、愛馬フェラーリに乗って逃走を図る。


 騎馬の王子と、徒士かちの三人には、歴然の差があるかに思われた。

 ところが、その行く手を阻んだのは泉。

 湿地帯の泥ハネを怖れた王子はついに観念して投降し、泉の女神は勝者に金銀を与えた。ただし女神の趣味により、これらは延べ棒や小判ではなく斧という特殊な形状をとっている。


 だが、ドラマチックな勝利は尊い犠牲の上に成り立つものだ。

 この頃には、ジャックは、もう……。

 女神のかいないだかれて、勇敢なる木こり戦士は最後の旅路につく。それを見送るハクロと赤松は、この戦利品を決して無駄にはしないと誓うのであった――。



「なんか、途中からおかしくない?」

「気にするな、ジャック。どのみち、お前の出番は終わりだ」

「お前はもう死んでいる」

「だから、生きてるって!」



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