デート編
第1話
結局、デート場所は友人のお勧めで、エビーニャ牧場にした。
確かに此処ならサーラの好きなモフモフもいるし、お洒落なカフェもあってデートに相応しい場所です。
王都や学園からもそこそこ近く、馬車でのんびりと行くのも良いですね。
貴族なので、完全に二人きりという訳にはいきませんが、喜んでくれると良いなぁ……
デート当日、特別に王城から馬車を出して貰い、私はサーラを学園の女子寮に迎えに行った。
金色の髪をハーフアップにし、以前私があげた黒揚羽の髪飾りを付け、赤いワンピースを来たサーラが寮から出て来るのを見て、私は見惚れてしまいました。
あゝ私の婚約者は何て美しいのだろう♡
「お迎えに上がりました。お嬢様♡」
友人のアドバイスに従い
するとサーラは顔を真っ赤にして
「ほ…本日は、お迎えに来て頂いて、ありがとうございましゅ…… 」
か、噛んだ!?あのサーラが!!
「か…可愛い♡」
私のセリフにサーラは益々顔を赤くして、恥ずかしそうに下を向いてモジモジし始めた。
あゝ本当に可愛いよサーラ♡
いつまでも眺めていたいくらいだ!
「ゴホンッ」
ハインツの咳払いで、我に返った私はサーラの手を取り、馬車へとエスコートした。
「あ…あの…エミール様。」
「な…何だいサーラ?」
「久しぶりですわね。エミール様とこうして馬車でお出掛けするなんて…… 」
照れながら話すサーラが可愛い。
「そうだね…この前はすまなかった。
今日はサーラに喜んで貰えると良いけど。」
あゝこれが二人きりなら、なお良いのだけど身分的にそういう訳にはいかない。
お互い、隣の席には専属メイドがいる。
いくら婚約者同士でも、未婚の間は仕方ない。
馬車はゆっくりと以前より整備された、
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※1
王都周辺から南に広がる大草原。
野生動物や低級モンスターしか現れない、初心者向けの狩場。
薬草採取も出来、王都から日帰りで行ける。
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