第3話 ホワイトデーはお詫びとともに…… 【後編】
早速、姉上達の助言を元に行動する事にする。
私の手持ちの宝石や魔石で【黒】となると、以前とある場所で拾った【黒い魔石】しかない。
おそらく
ギルドや王国に知らせが無いところを見ると、おそらくこの事に気づいている者は私と護衛騎士のハインツ以外、居ないのでしょう。
そして、
その事に気づいて以来、時々親愛の表現で私の口元を舐めようとしてくる彼には申し訳ないが、拒否しています。
それでも、偶に舐められてしまいますけどね。
ともかく、この【黒い魔石】で彼女にアクセサリーを作る事にした。
王家や伯爵家の職人だと、せっかくのサプライズがバレる恐れがあるので、友人の伝手を辿って別の職人に頼んでみた。
以前、学園街で店を構えていた男で、現在は友人の屋敷で雇われている職人です。
腕は良いけど、目を離すと直ぐ儲けを酒代に替えてしまうという悪癖があるので、屋敷の一画に工房を与えているのだとか。
友人は相変わらず面倒見が良い。
その職人と相談して、サーラの為に特別なアクセサリーを作ってもらう事にした。
次にサーラと行くデートの場所を、決めなくてはいけません。
いつもの『図書館』『本屋』『文房具屋』以外の場所を選ばないと駄目だとシイナ姉上からアドバイスを頂きました。
いつもと違う場所と言われても、いったいどこに行けば良いのかわからないので、再び友人を頼る事にした。
『そうね~サーラちゃんの好きそうな場所でデートに使える所ですか?』
暫く考えた後、友人が勧めて来たのは……
『そうですわ♪
最近、学園街に出来た【猫カフェ】とかどうかしら?』
それって君の家…正確には君の妹が始めたお店だよね?
しかも最近サーラが入り浸ってる。
却下です!
どうせ私の財布をあてにして、何か買わせるつもりでしょ?
『チッ!』
今、舌打ちしましたね!!
まったく…そういうところを直さないとまた、ハーム女史の特別講習を受ける事になりますよ!
―――――――――――――――――
※1
A級の毒蛇の魔物。
音も無く近づき、生物を襲うので大変危険。
その毒はオークキングすら倒す猛毒であるが逆に解毒剤の材料にも使われる。
革は防具の材料になり人気がある。
マジックバイパーの最上位種と思われていたが、近年の研究で別種である事が解った。
※2
シルバーの毛玉
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