第26話 エリザベス王女誘拐事件(後編)
赤いドラゴンが森の大邸宅の上空スレスレを通過すると、建物が大きく揺らされた。
アレクセイ・スミナロフが、その大邸宅の中から2階外階段の踊り場に出てきた。
「あんの野郎!」
赤いドラゴンを見上げ、怒りがこみ上げてくる。
アレクセイは、館の2階踊り場から飛び降りると、庭を通り森を駆け抜ける。それは尋常な速さではない。文字通り飛ぶように駆けているかのようだ。
その頃、アルフレッドとエリザベス王女は疾駆する馬車の中にいた。馬車は森を抜け、平原の街道を北の方角に急いでいた。
「もっと早く走らせろ!」
アルフレッドが、御者に命じる。
「これ以上は無理です」
「ちっ!」
「アルフレッド、私を降ろして!」
エリザベス王女が懇願する。
「ダメだ。お前をアスランに連れて行くんだ」
「あなたは、何を言っているのですか!」
その時、急に後ろから大きな音が、近づいて来た。
グウォ、ウォ、ウォーーーッ!
そして、突風に馬車が大きく揺らされた。
「キャーッ!」
「うわあっ!」
そして、ふわっと浮いた感じがした。
「何?」
エリザベスが、窓の外を見ると馬車が宙に浮いていて、赤い大きな翼が羽ばたいているのが見えた。下を見ると、御者が落とされ、馬車を引いていた馬が走って逃げて行くのが見えた。エリザベスの乗った馬車はドラゴンの両脚に掴まれて、空を飛んでいたのだ。
そして、ドラゴンは高度を上げようと大きく羽ばたこうとしていた。
その刹那、後方からあっと言う間に追いついて来たものが、馬車に飛びついて来て、馬車のドアを開けた。
「エリザベス王女、お迎えに参りました」
「アレクセイ様!」
「アレクセイ・スミナロフ、貴様!」
「あなたは、アルフレッド殿か。王女は返してもらいますよ。さあ、王女こちらへ」
アレクセイは、エリザベスに手を伸ばす。
「ダメだ!」
アルフレッドが、エリザベスの前に立ちふさがる。
その時、ドラゴンは異変に気付いたのか、馬車から両脚を離した。
馬車は落下し始める。
「まずい!」
アレクセイは、咄嗟の判断で、エリザベスとアルフレッドを抱えて馬車から飛び降りた。
グシャッ!チャリン、チャリーン・・。
馬車は落下し地面に激突し、粉々に砕け散った。
「ふう!」
アレクセイは、地上に着地すると、二人を降ろし、額の冷や汗を拭うアレクセイ。
「アレクセイ様!」
エリザベス王女は、アレクセイの胸に飛び込んだ。
張り詰めていた緊張が緩んだのか、エリザベスの赤い眼が潤んでいた。
「すいません、エリザベス王女。来るのが遅くなりました」
見つめ合う二人。
「こら!アレクセイ・スミナロフ!貴様、エリザベスに何をしているんだ!」
汚い声で、雰囲気を台無しにするアルフレッド・ルッジェーロ・アマルフィだ。
「何をと言われても、王女をお支えしているだけですが・・」
「貴様!王族の姫に触れるなど無礼であろう!」
「え?うひゃーーーーっ!」
急に、アルフレッドは、顔面が蒼白になり、その場から逃げだした。
「やはり、戻ってきたか」
アレクセイが、振り返ると、先ほどの赤いドラゴンが、飛んで来るのが見える。
「まあ、私も放っておく気はなかったから、好都合だ」
すると、赤いドラゴンが口から炎を吐き、襲いかかって来た。クリムゾン・ドラゴンである。
「王女、しっかり捕まってください」
アレクセイは、エリザベス王女を抱きかかえると、横に大きく避け、炎の火柱が横を通り過ぎて行った。アレクセイは、立ち止まり、王女を降ろす。
「こちらで待っていてください。あれを討伐するのが私の仕事なので」
「アレクセイ様・・」
エリザベス王女が、アレクセイのロングコートの裾を掴み不安そうに赤い瞳を向ける。
「王女、ご心配なく。私は、こう見えてもすごく強いのですよ」
アレクセイが、安心させるかのように優しく微笑むと、エリザベス王女も安心したようだ。
「ご武運を。アレクセイ様」
「はい。離れていてください」
そう言い残すと、アレクセイは、あっと言う間にエリザベスの傍から飛び立つと、飛ぶように駆け、クリムゾン・ドラゴンに向かって行った。
クリムゾン・ドラゴンが方向転換し、引き返して来るのが視界に入る。ドラゴンは、また炎を地上にまき散らしながら飛んできた。アレクセイは、接近して炎の中をものともせず駆け抜け、ドラゴンの懐に飛び込むと、そのまま流れるように、ドラゴンの尻尾まで移動し、長い尾の先を片手で掴んだ。
「ふぬっ!」
アレクセイは、気合を込めると、ドラゴンが前に進めず空中で静止した。
「ドウォリャーーッ!」
そして、力を込めて、クリムゾン・ドラゴンを地面に投げ落とした。
ズドドド-ンッ!
クリムゾン・ドラゴンが地面に叩きつけられ、アレクセイは、その傍に降り立った。そして、背中の大剣を抜く。アレクセイがその大剣を抜き、両手で構えると剣身が長く伸びてアレクセイの身の丈を超える長さになった。
アレクセイの大剣は、「
アレクセイ・スミナロフのその実力は、現在の剣聖団トップの称号を持つスフィーティア・エリス・クライと変わらないと言われたことがある。実際、スフィーティアが、剣聖団トップの称号である『アルファシオン』を与えられた時には、剣聖団本部では、アレクセイとスフィーティアとを候補に挙げていた。しかし、アレクセイ自身が、自分の実力はスフィーティアには及ばないとして自ら辞退し、スフィーティアに『アルファシオン』は与えられた。よって、アレクセイ・スミナロフの実力は剣聖の中でもトップクラスと言える。
対峙するアレクセイとクリムゾン・ドラゴン。
「さて、じゃあこちらから行くぞ」
アレクセイは、右手にレッド・パージを持ち、ドラゴンに走り近づくと身体を捻りながら、大剣をドラゴンの横っ面に
クリムゾン・ドラゴンは、大きくのけぞる。アレクセイは、さらに左手に剣を持ち換え、ドラゴンの右側頭部に
『たかが人間風情がつけあがりおって!』
クリムゾン・ドラゴンの心に直接響く籠った声がアレクセイに届く。
「あら、怒らせちゃったかな」
アレクセイは、余裕だ。レッド・パージを右手で持ち、肩にかけトントンとしている。すると、クリムゾン・ドラゴンの身体が急に赤く熱を帯びてきた。顔を上げ、起き上がると体が発火し始める。
『焼き尽くしてやるわ!』
ブウォウォウォウォヴォーーーーーッ!
クリムゾン・ドラゴンの周囲が炎に包まれ、熱風が発生し始める。そして、咆哮すると、強烈な焔のブレスをアレクセイ目がけて放った。
アレクセイは、避けようともせず、焔に包まれていく。と思われたが、レッド・パージを盾代わりに前に構えると、焔がアレクセイを避けて行く。
「僕に、そんな火は通じないよ」
アレクセイは、赤い
アレクセイは、ゆっくりと焔をものともせず、クリムゾン・ドラゴンに近づく。
『うぬ、ではこれではどうだ』
ドラゴンは、上空に急に飛び上がる。そして、静止すると、大きな翼を内側にたたむと、その場で回転を始めた。すると、翼に付着していた炎が無数に飛び散り、遠くまで、火の粉が降り注ぎ、地上を焼いて行く。
「アレクセイ様・・」
かなり遠くからアレクセイとクリムゾン・ドラゴンの戦いの様子をエリザベス王女は、心配そうに見守っていた。しかし、クリムゾン・ドラゴンの放った火の粉が、エリザベス王女のいる辺りまで降り注いできた。
エリザベス王女は、上空から降り注いでくる炎に周囲が焼かれ始めたのを見て、後方に走って逃げた。が、目の前にも炎が上がり、周囲を炎に囲まれてしまった。
「熱い。はあ、はあ、はあ」
そして、エリザベス王女のところにも火の粉が降り注いで来ようとした。見上げるエリザベス王女。
「ああ・・」
眼を瞑るエリザベス王女。すると、周囲から突然熱気が消えていくのを感じた。
「ふう、間に合った」
眼を開けると、眼の前に白いロングコートを着た栗色の髪のまだあどけなさが残る若い剣士が目の前にいた。エドワード・ヘイレンである。冷属性の盾を展開し、周囲の熱気を吸収していた。
「あなたは、エドワード様」
「え、エドワード様?やめてっす。それ、チョウ恥ずかしいっす」
「では、何と呼べば良いのですか?」
「俺は、マスターの
「では、エドワード、助けてくれてありがとう」
「マスターの指示なので、気にしないで欲しいっす」
エドワードの盾の冷気で、周囲の火が納まっていく。しかし、急に冷えたせいか、ローブ姿のエリザベスがブルブルと震え始めた。
「これを、着てください。エリザベス王女」
エドワードは、自分の剣聖の白いロングコートを脱ぎ、エリザベスに羽織った。
「ありがとう。エドワード、あなたは優しいのね」
「マスターに女には優しくしろと口を酸っぱくして言われてっから」
照れ臭そうに、頬をかくエドワード。
「まあ」
遠くでは、アレクセイとクリムゾン・ドラゴンの戦いが続いていた。
「アレクセイ様は、大丈夫でしょうか?」
エリザベスが、心配そうに戦況を見守る。
「心配ないっすよ。マスターは、ドラゴンに負けたりしないっす。マスターは、物凄く強いんすよ。なんせ、俺の目標なんすから」
「エドワードは、アレクセイ様のことを尊敬しているのね」
「尊敬?」
「違うの?」
「ハハハ、そうじゃないっす。ぶっ倒す対象すよ。いつか追い抜くんすよ」
「まあ。うふふふ」
エリザベスには、エドワードの素直な感情が微笑ましく思えた。
アレクセイは、エドワードが駆けつけ、ドラゴンの炎の攻撃から王女を守っているのを確認すると、ドラゴンに朱色の眼を細め、鋭い視線を向けた。
「貴様、エリザベス王女を傷つけていたら、跡形もなく消滅させていたところだぞ」
『ふん、人間如きが上位者である我にそんな口を利くとは、許さんぞ!』
クリムゾン・ドラゴンが、上空からアレクセイ目がけて突進し、長い右前脚(右手)の鋭い爪でアレクセイを引き裂こうとする。アレクセイは、それを
『しぶとい人間め』
「そりゃ、どうも」
アレクセイは、まだ余裕の表情だ。レッド・パージを右手で持ち、肩をトントンとしている。
「でも、いい加減ケリをつけるかな」
アレクセイが、レッド・パージを両手で正面に構える。すると、アレクセイの朱色の瞳がキラリと輝り、身体中から闘気がブワっと迸り、身体が一回り大きくなったかのように錯覚させた。レッド・パージも倍の長さ位に伸びたように見える。
「
一瞬で、残像を残し、クリムゾン・ドラゴンに接近すると、先ほどの攻撃よりも速さが増し、数倍の速さでレッド・パージを上下左右に流麗に振るう。剣戟の残像が走り、一瞬時が静止したかのようだ。クリムゾン・ドラゴンは対処することもできず、レッド・パージで滅多打ちにされていく。顔面、胴、手、脚と、レッド・パージの剣戟が容赦なく降り注ぐ。まず、クリムゾン・ドラゴンの右手が吹き飛んだ。続いて、左脚が飛ぶと、クリムゾン・ドラゴンは倒れた。そして、左手が飛ばされ、攻撃が、首筋に集中すると、厚い皮が剥がされていった。
『おのれー、人間め。お前などにーーー!』
そして、皮、肉、骨と削ぎ取り、長い首が切断されると、ドラゴンの巨体が沈んだ。
ズドドド-ンッ!
アレクセイの残像が収束されて、動きを止めた。レッド・パージも通常の長さに戻っていく。
「ふう」
アレクセイがよろめき、レッド・パージで身体を支える。竜力を使い過ぎたようだ。
「スゲー、やっぱりマスターはすげえや!」
目を輝かせて、エリザベス王女を置いて、エドワードがアレクセイに駆け寄る。
「マスター、大丈夫か?」
「ああ、平気だ。お前の方はどうだ?」
「へへへー」
エドワードが、アンバー・ドラゴンの琥珀色の竜石を取り出した。
「よくやったな」
アレクセイが、エドワードの頭を撫でる。
「ついでに、そいつの心臓の欠片も取り出してくれ」
アレクセイが、レッド・パージでクリムゾン・ドラゴンを示す。
「あいよ!」
エドワードが、クリムゾン・ドラゴンに駆けより、
アレクセイは、王女を遠くに見つけると、レッド・パージを背中に納め駆け寄った。
「王女、ご無事で」
「アレクセイ様・・」
エリザベスが、アレクセイの胸に飛び込み顔を胸に埋める。その赤い瞳には光るものが見えた。
「よかった。よかった・・」
「どうしました?」
「あなたが、ドラゴンにやられないかと冷や冷やしていたのです」
エリザベスは、涙ぐんだ瞳を向ける。
「私は、この通りピンピンしていますよ。ご心配なく」
「はい」
「王女は、私が怖くないのですか?」
「え?」
思いもしないことを言われたエリザベスが、アレクセイを見上げる。
「私がドラゴンと戦う姿を見ると、とても人間とは思えないと恐怖を抱かれる人が多いのですよ。そして、避けられるようになります。でも仕方の無いことだと思っています。私たち剣聖は、竜の力を身に宿す者。恐れられて当然です」
「私は、あなたを怖いと思ったことはありませんわ。アレクセイ様、あなたは、剣聖である前にアレクセイ様です。私を助けてくれるとても優しいアレクセイ様です」
エリザベスの純粋な視線がアレクセイに向けられる。
「ははは、そういう風に言われると照れますね」
アレクセイは、頭をポリポリと手で掻く。
「マスター、これ凄いっすよ」
そこにエドワードが、駆けてきた。エドワードは、拳大位の赤い竜石を差し出した。
「この大きさ、すげえや。俺の倒した方のが、霞んじまう」
そう言って、倒したアンバー・ドラゴンの小さな竜石を取り出して、比較する。
「あら、でも私は、小さくてもその琥珀色の石がキレイだと思うわ。エドワード」
エリザベス王女が、フォローする。
「え?ありがとうっす」
「あれ、二人はいつの間にか仲良くなったんです?」
「そうですよ。仲良くなりました。私には兄弟がいないので、エドワードは、弟のように思えますわ」
そう言って、エリザベスはエドワードの腕を取った。
「ちょっと、からかわないで欲しいっす」
「いいえ、あなたを私の弟にしてあげます」
「ええ!」
「これは、従うしかないな、エドワード。王女様の意向だ」
「そ、そんなあ」
「あら、私の弟というのが不服なのかしら?」
エリザベスが意地悪そうに、エドワードを見る。
「そう言われても。あ!じゃあ、マスターは王女の何なんすか?」
「決まってるだろ」
突然気になっていたことを持ち出され、エリザベスの緊張した間差しがアレクセイに向けられる。
「
エリザベスの眼が少し曇ったように見えたが・・。
「そうです。アレクセイ様は最高の騎士様です」
シュイイイーーーンッ!
そこに、アレクセイの赤いシュライダーがやって来た。シュライダーは剣聖が駆る流線形のカッコいいバイクのような乗り物だ。バイクと違うのは、車輪が無く宙に浮いて走ることだ。竜力を動力源にし、爆音も無く静かに走る。
「王女、これで王都に帰りますよ。あ、その前に、エドワードのコートを脱いでこちらを着てください」
そう言って、シュライダーのラゲッジボックスから白いケープを取り出し、エリザベスに渡す。エリザベスがそのケープを纏った。
「では、後ろに乗ってください」
アレクセイは、シュライダーに跨り、エリザベスがその後部座席に座る。
「では、エドワードよ。お前は、ここからその脚で王都まで戻るように。明日も忙しいから、今晩中に戻れよ」
もう辺りが暗くなっていきている。夕日が沈もうとしていた。
「え!冗談っすよね?」
「馬鹿者、真面目だ。ではな」
有無を言わさず、アレクセイは、シュライダーのアクセルを絞り、エドワードを置いて走り去ってしまった。
「本気かよ!この、鬼マスターーーーーーーーーーーーー!」
エドワードの恨み節が、後方から聞こえてきた。
「アレクセイ様、エドワードが可哀想だったのではありませんか?」
シュライダーの後部座席から、エリザベスがアレクセイに話しかける。
「王女、これは、剣聖の
「すいません、差し出がましいことを言ってしまいました」
「気にしていません」
暫く会話も無く誰も通らない街道を走っているうちに、日も沈み、空にはきれいな星空が広がっていた。そこには、二人だけの世界が広がっているようであった。
「アレクセイ様、その、お願いがあります」
突然、エリザベスが切り出した。
「え、何でしょうか?王女」
「前から思っていたのですが、その王女と呼ぶのは止めて貰えますか?」
「え、では何と呼べば?」
「名前で。エリザベスと呼んでください」
「では・・。エリザベス様」
「様はいりませんわ」
エリザベスは、不満そうだ。
「そう言われましても、王女を呼び捨てにはできませんよ」
「その・・、二人だけの時だけでいいですから」
「では、王女も私を呼ぶ時、様はつけないでください」
「わ、わかりました。ア、アレクセイ」
「ありがとうございます。エリザベス」
「でも、緊張しますね。うふふ・・」
「ははは・・」
二人の明るい笑い声が、流れて行く。
「ねえ、アレクセイ、私、あなたが必ず助けに来てくれると信じていましたのよ」
「約束しましたからね。エリザベスが渡した香水をつけてくれていたから、見つけられました」
「ああ・・」
急にエリザベスに自分の香水の匂いが自然と入って来た。
「アレクセイ。その・・・。また、私を助けに来てくれますか?」
エリザベスは、少女のように消え入りそうな小声で言う。しかし、その声はアレクセイにも届いていた。
「こんなことは、無いように願いますが、助けますよ。何度でも。エリザベス、私はあなたの
「私の素敵な騎士様・・」
エリザベスは、自然とアレクセイを抱く手に力が入り、アレクセイの広い背中にその赤くした顔を埋めるのだった。
エリザベスは、今はこの時がいつまでも続いてくれれば良いのに、と星に願っていた。
「くそ、何で俺は、こんな所を一人歩いてるんだ!」
アルフレッド・ルッジェーロ・アマルフィは、馬車から落ちた後、クリムゾン・ドラゴンが引き返して来るのを見て怖くなり、アレクセイとエリザベスのいた所から逃げだした。
幸い、クリムゾン・ドラゴンが炎を地上に吐きながら襲いかかって来たのを、偶然あった穴に落ち、生き延びていた。そして、一人アスラン方面に向かって街道を歩いていた。
「くそ、せっかく上手く行きかけていたのに、全てはあの忌々しい剣聖のせいだ。俺は、諦めないぞ。エリザベスを俺の物にしてやる!うへへへ・・」
アルフレッドは、気持ちの悪い笑い声を響かせる。
「アレクセイ・スミナロフ、必ず仕返ししてやるぞ!覚えていろよーーーーーー!ウワッハッハッハッ、ハッハッハッ、ハッハッハッ・・・」
どこまでも、逞しいアルフレッド君であった・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます