第38話 麻沙美先輩のお家で②
そのあまりの光景に、僕は思わず尻餅をついてしまう。
「ま、
「私は裸族だからね。家では普段服は着ないんだよ」
裸族……? 裸族ってアレか? 家の中で衣服を着ないっていう……
確かに、テレビでは一定数存在するって言ってたけど、先輩がソレだっていうのか?
だったら、仕方ないのか……、ってんなワケあるか!
「そ、そんなの、理由になりませんよ!」
「そうです! 例え麻沙美先輩が裸族だったとしても、私達がいるんですから、ちゃんと服は着て下さい!」
そうだよね……。僕、間違ってないよね!
「ちぇー、流れ的に許されると思ったのに……」
そう言って麻沙美先輩は、お尻の肉をプルプルと震えさせながら部屋を出て行く。
一体なんの流れ的に許されると思ったのだろうか……
………………………………
………………………
……………
戻ってきた麻沙美先輩は、薄手のパーカーにショートパンツというラフな格好になっていた(いや、さっきの方が
麻沙美先輩らしくて非常に似合っているのだが、健康的な脚線美が眩しくて少々目のやり場に困る。
「これなら文句ないだろう?」
「……とりあえずはOKとしておきます」
「結構辛口だね!?」
オーバーリアクション気味な麻沙美先輩をスルーしつつ、僕はジョネスの頭を撫でにいく。
「ハッハッ」
うーむ、やはり逃げないぞ?
なんで伊万里先輩の時は逃げたのだろうか……
「ふむ、やはり藤馬君には懐いているみたいだねぇ……」
「僕にはって、その言い方だと、他の人には懐いていないみたいに聞こえますが」
「その通りだよ。ジョネスは外国の犬種でね。物凄く忠誠心が高い反面、他人には中々心を開かないんだよ。だから、さっき伊万里が近づいた時に見せた反応が本来であれば普通なのさ」
つまり、僕だけ扱いが違うってことか……
一体何故……
「まあきっと、飼い主に似て可愛いモノが好きなんだろう」
「……それって、私は可愛くないってことですよね」
「伊万里は可愛いけど、どちらかというと美人系だからね。それに対し、藤馬君は小動物的可愛さがあるじゃないか」
「……確かに。それなら納得できる気がします」
いやいや、僕的には納得できないんですけど……
小動物的可愛さってなに? もしかして、動物からもそう判断されるような何かが僕から出ているってこと?
「そういえば、ジョネスちゃんは外国の犬種ということですが、やはり麻沙美先輩のご家族って……」
「ああ。祖父がイギリス人なんだ。髪の色がこんななのもその影響だよ」
麻沙美先輩の髪は、やや暗みのある金髪なのだが、てっきり染めているのだとばかり思っていた。
「麻沙美先輩の髪って、地毛だったんですね」
「地毛さ。さっき藤馬君も見たじゃないか」
「……? 見たって、何をですか?」
「ナニさ。アンダーヘアだよ。普通下まで染めたりしないし、地毛なことは明白だったろ?」
その言葉に僕は再び完全停止してしまう。
そういえば、さっき見た先輩のアソコは……、って!
「そんなところじっくり見てませんから!」
「本当にぃ?」
「本当ですか藤馬君!」
「本当ですよ! なんで伊万里先輩まで少し食い気味なんですか!」
そんなところを直視できる程、僕は恥知らずではない。
見たのはあくまでちょびっとだ。
「む……、でも、乳首くらいはちゃんと見てくれたよな?」
「なんですか、そのくらいはってのは……。そっちもチラッとしか見てませんから」
それでも、しっかり目に焼き付いてしまっているけど……
「そりゃ残念。アンダーヘアの薄さと乳首の色素の薄さは私の強みだったんだがな……」
そんな強み知らないよ……
先輩の家に来てから、まだ30分も経っていないのに、僕は既に疲労困憊状態であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます