聖騎士になるために試験を受けたんだが、配属された先はお嬢様学校の護衛騎士だった件~待て、なんでこんなに仕事が多い~
結月アオバ
騎士団配属
プロローグ
「大丈夫か、少年」
その背中に憧れた。髪をなびかせながらも山のように動かない黄金の輝きに、俺は憧れてしまった。
「………私のようになりたい?」
当時の俺は、それがどんなにイバラの道になるか知らなかったから、尋ねることが出来た。そのせいか、その時に俺を助けてくれた彼女は酷く困惑していたように思えた。
「―――そうだな。強くなれ少年。そうすれば、私のようになれる」
「強くなる……?」
「あぁ。そして、私のように――――聖騎士になるには王都に行き、騎士団に入らなければならない」
「せいきし……」
当時の俺は、それがどんな称号か知らなかったが、とてもキラキラとした目で何それかっこいい!と言った。
「絶対なる!僕も聖騎士になって、いつかお姉ちゃんの隣で戦うんだ!」
「そうか、それは楽しみだな」
くしゃり、とその人はガントレットをはめたままの腕で俺の頭優しく撫でてくれる。
「ヴィクトリアだ。少年、君の名前は?」
「ユキナ!」
「ユキナか。覚えておこう。君の名前を」
その時の出会いを俺は今までの間、一度も忘れたことなんてない。がむしゃらに剣を振り続け、たまにうっかりモンスターに殺されそうになったが、辛い時はいつもこの思い出に支えられ、助けられてきた。
ヴィクトリアさん――――いや、今はヴィクトリア様と言った方がいいか――――は、のちのち調べると、ものすごく有名な人だったのでマジで腰を抜かしたと同時に、すごい人と知り合ってしまったという気持ちが出てきて、更に鍛錬に励んだ。
そのお陰か、俺個人としては大層大変な力をこの身に授かってしまったし、それが身に宿ってからは一気に身体能力が上がったり、なんか魔法の才能が目覚めたりした。
強くなるのは純粋に嬉しいのだが、逆に恐れ多い気もする――――そんなことを呟いたらめちゃくちゃ笑われた。別にそこまで笑わなくてもいいじゃないかとかめちゃくちゃ思った。しばらくそいつの夜ご飯の品を1品減らした。
とまぁ色々あったが、こんな俺も15歳。入団試験は15歳から受けれるということなので、意気揚々と王都に突撃し、門番の人に騎士団の試験を受けに来たと言ったら頑張れとエールも貰って臨んだ試験。
今日がその試験の結果が帰ってくるのだが、そこに書いてある内容がおかしい。
「………警備及び護衛騎士?」
なんだそれ。そんなの試験受ける前の説明になかったですけど?
俺は、宿で一人首を傾げた。
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タイトル長ぇ………
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