第131話 小樽デート
翌日、仕事の後に、国崎さんがホテルまで迎えに来てくれたので、車で小樽へ向かった。
運河やその周辺の小綺麗な店を見て回った。海鮮料理の店に入り、夕食を食べた。
私は自分の生い立ちに触れた。ある程度の仲の人には言っておきたかったからだ。彼は淡々と聞いていて、再び感心した。立派だと。
私は国崎さんのほうが学歴もあるし、国の中枢のエリートじゃないですか?と言ったら、彼は否定した。
「学歴というのは、敗者復活戦だから。野球で言えば、2軍。東大出ても2軍のホームラン王みたいなものだよ。1軍は何かといえば、君みたいな本当に実力のある人のことだよ」
国崎さんは続けた。
「社会を動かしたり、影響を与えられるような人が本当に実力がある人で、君がそうだよ。でも、大部分の人はそんな能力がないから、そんな無能な人のために国が用意したのが学歴さ。だから、学歴を求める時点で、すでに負け犬なんだよ。まあ、大部分の人はその事自体に気づいていないけど」
そして、国崎さんは、私は実力もあるし、次の時代に必要な人だと持ち上げた。
「それに、君は美人だし」
私が否定すると、
「でも、僕にはそう思える。今まで人からそう言われたことなかった?」
と聞かれた。そんな経験ないと言うと、
「みんな、内心美人だと思っているから、わざと言わなかっただけじゃない?。君はもっと自分に自信を持って良い」
何か、心のなかでゴソゴソっと、くすぐったいような気持ちになり、あーこれが自信なのかも、という気がした。いろいろ過去の経験を褒められるよりも、美人と言われることのほうが嬉しかった。
人の外見は変わらないし、隠しようもないから、外見を気に入ってもらえるということは、取り繕ったりせずに、素のままの自分を受け入れられて、裏切られることがないように思えた。
最初は打算的な気持ちだった。旧日本政府の首相補佐官という高位の人が自分に好意を持ってくれるのなら、ちょっとだけ冒険で付き合っても良いかもしれないと思っていた。最初は彼は私の功績に対して、単純に興味を持っているだけだと思っていた。
でも、私に対して女性として好意を持った人は、彼が初めてだった。国崎さんでも良いかもしれない。そんな気がした。それに彼はいろいろ優しかった。また、私が知っている他の男の人に比べて、スマートで、洗練されている気がした。
食事の後、札幌に国崎さんの車で帰った。車内で、彼が聞いた。
「僕の家に来る?」
私はうんと頷いた。
国崎さんの家は、札幌市内の高層マンションだった。地下駐車場に入り、そこからエレベーターで上層階へ登った。
家に入り、コートを手伝ってもらい脱いだ。2LDKで小綺麗に片付いていた。男の人の家に入るのは初めてだった。もう17だから、この後どうするか、おおよそ予想はついていたし、期待もしていた。
ちょっと飲み物をもらった。
「疲れた?」
私は首を振った。
「ううん」
「寝室、行く?」
私は頷いた。
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