東海

第3話 今の姿

私、西村千里。16才

自衛隊の大宮駐屯地で、厨房のアルバイトをしている。

沖縄への核攻撃とその後の混乱で、両親が仕事に出たまま帰宅せず、引きこもりだった私は、食事のために否応なくアルバイトを始めた。

バイト内容は食器を洗ったり、調理された食材を盛り付けしたり。

賄い付きと、シャワーが浴びれるのが、魅力だった。


現在、日本中が混乱状態だ。

都心を急襲した武装勢力は、中国軍の部隊だった。彼らは既存の日本の統治機構をそのまま乗っ取り、日本の大部分を支配したため、その配下の警察、自衛隊を掌握し、一番勢力があった。ただ、各地で反対運動が大きく、この中国傀儡政府の勢力はだんだんほころびつつあった。

また、北海道には旧日本政府が避難して、日本統治の正当性を主張していた。

一方、それらとは別の第3の勢力があった。自治体連合だ。

あるきっかけで大宮駐屯地が中国傀儡政府に対して反乱を起こし成功。周辺の県を押さえながら自治体連合を形成していった。中国傀儡政府にも、旧日本政府にも組みせず、日本統一を目指している。

これら3者が三つ巴で日本統一を目指し、内戦状態になっている。三つ巴と言えども、北海道の旧日本政府はほとんど軍勢がないのと、地理的に離れているため、ほぼ静観している。

埼玉県が加わる自治体連合は、主に中国傀儡政府と局地的な戦闘を行っていた。

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