詩「春の夢」
有原野分
春の夢
海の向こうの
素朴な町は
いつかの夢より
果てしなく
空を飛んでも
泳いでも
走り出しても
まだ遠い
遠い国の
青い目をしたきみは
いつだって春の夢を見ている
ぼくはまだ
きみに出会う
約束をしていないけど
いつか出会う
そのときまでに
生粋の日本人に合うような
地味な柄の折り畳み傘を
嘘でもいいから
用意しておいてくれると
ぼくは雨の日でも
安心して
きみに会いに行けるんだ
いつかの春
梅が咲く
雨に濡れて
うぐいすが
鳴く頃に
約束を
切るよ
長い髪を
今年こそは
春の夢
梅の花を
胸の高さに
きみに会いに
詩「春の夢」 有原野分 @yujiarihara
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます