ぱらぱら
バブみ道日丿宮組
お題:フハハハハ!それはパラダイス 制限時間:15分
ぱらぱら
突如として別世界に召喚されたならそれは異世界転生ものと呼べるだろう。もっともそれで主人公が無双すればまんまそうだがーー一般的にそうはならない。
確かにハーレムという状態だ。
周りには女性という女性ばかりが存在してて男性という生命体が見えない。
話を聞いたところ、いないということが発覚。種族の繁栄に関しては女性同士の掛け合わせで行われてるという説明もきいた。地球という僕が転生前にいた世界でもそんな生物はいた。
もしかすると進化する過程で男性という存在が不必要と判断された星なのかもしれないーーが僕は男性なわけで話題にならないはずがなかった。
「似合ってます」
「……嬉しくない」
女性の星で不自然なく生活するには……つまりは女性になる必要があり、僕は最初に接触してくれた女性の手によって見事に変装をさせられた。
「私たちの間ではそれは恋に近い言葉ですよ。モテますね、絶対」
えぇと彼女は悪気ない笑みをこぼす。
僕はため息しかつけなかった。
こんな場所、幼馴染であればパラダイスだと笑って女性に接触しただろう。でも、僕にはそんな度胸はない。視線を合わせるぐらいしかできない。
「では都市に行きましょう。この町じゃもうカバーができなくなりそうですし?」
「都市の方がバレやすくない? あとなんで疑問系なの……」
確かに町には僕がいたという話が知れ渡ってる。なんとかやっと彼女によってごまかせるようになったものの……逃げるのは一苦労だった。
珍獣が感じる気持ちというのはおそらくこういう得体の知れない恐怖心なんだろう。
彼女は人差し指をたてると、
「都市には私の親友でもあり偉大な博士がいます。そこで今後の対策を考えましょう。あと都市ということもあってうわさは広まりやすいですが特定はなかなかされないものですよ」
うふふと笑う彼女に同意はできなかった。
地球では特定されるのが常日頃の出来事で逆に町のほうがバレにくいからだ。
「大丈夫です。私たちはうわさ話は好きですがそれを特定するのはあまり実行しません。あぁーえぇーとこの町は別ですが……他に楽しみがないですからね。特にカップルを作ってない女性は」
唸り声をこぼす彼女はうんと頷く。
「では行きましょう。帽子は深くかぶってくださいね」
「うん、わからないことだらけだから君が頼りだよ」
「やっぱり惚れさせようとしてません?」
「ち、違うよ!? ほんとのこといってるだけで……」
深い意味なんてない。それこそ男女の関係……はない。
「うふふ。可愛いですね。女性でしたらぜひとも恋人にしたいところです」
彼女は僕の手をひくと、家の外へと連れ出し一緒にあるき出す。
「都市までは徒歩で30分ほどですので」
ぱらぱら バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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