第76話 FIVE of SWORDS. ソードの5

FIVE of SWORDS.

 風 困難


 ソードの5が示すのは「混乱」「敗北」「損失」「狡猾」です。


 嵐の雲と波立つ海のある荒涼とした戦場が困難を暗示する中、3本のソードを抱えた冷酷な赤毛の男が尊大な態度で勝利の薄笑いを浮かべ、敗れた2人を見下しています。

 勝った男の足元には2人がかりで戦ったのに敗れた者たちが捨てた剣が転がっています。

 この卑怯な男はどんな手段を用いても勝つことだけを考えています。だからソードを3本も抱えているのです。


 このカードの主人公は勝った赤毛の男ではありません。敗れた2人のほうです。

 つまり「敗北」「失敗」を表したカードなのです。

 何も考えず、あまりにも強い男に挑んでしまい、恥辱と無力感を味わわされました。


 葛藤や争い、特に訴訟に関するリーディングで、このカードが「正義(逆位置)」と一緒に出てきたら用心してください。


【正位置】

「混乱」不調和、波乱含みの状況、家族間での争い・口論の可能性。

「敗北」失敗、破壊、反対者の力、降格、左遷、廃止、臆病。勝てない戦いから立ち去る。

「損失」汚名、損失と不名誉、犠牲になる。

「狡猾」なりふりかまわない、不正な手段で成功、狡猾、戦略的、傷つくような言動で人をやりこめる。大義のない勝利。

「執念」自己中心的、強欲、執念、いじめる側、復讐を目的とする。無情、抗争。

「打破」否定的な行動バターンを打ち破る。すでにあるアイデアを壊す。

 復讐心、残忍な性格、投げなりな態度が駆り立て、人を傷つけるように仕向けます。

 このカードには、人をもてあそぶ、自分の成績しか考えないといった意味が込められています。

 質問者はこのようにアドバイスしてほしいものです。〈あなたの気は晴れるかもしれません。でも仕返しなど終わってしまえば何の意味も持たないのです〉と。

 人を傷つければ、同時に自分を傷つける要因を生み出してしまいます。

 そして〈あなたが欲しいと思っていたものは、もう今では何の役にも立ちませんよ〉というのがこのカードの別の意味です。

 質問者は自分自身にその動機を問いただしてみるべきです。

 もしかしたら、それは復讐心とか自滅的な思いからのことではないでしょうか。

 質問者は欲しいものを手に入れるため、不正な、あるいは違法な手段に訴えようとしているとも読みとれます。

 あるいは、質問者は誰かを罠にかけようとしているのかもしれません。


【逆位置】

「混乱」人間不信、友人や家族の不幸。埋葬や葬儀。

「敗北」脇の甘さ、失敗、失望、悲壮、油断、力不足、負け戦、敗者。

「損失」不確実さ、損失。不名誉な出来事。犠牲になる。

「狡猾」信用を失う。思考が変わりやすく信頼されない。時代遅れのアイデアを受け入れない。

「陰惨」惨め、いじめられる側。

「新生」憂慮すべき損失や失敗を乗り越える。新たな始まり。コミュニケーションが敵意に取って代わる。

 逆位置になっても、カードの意味は変わりません。損失や失敗があるでしょう。

 誰かを罠に陥れようとしたり、逆に誰かにはめられたりします。

 また、人から何かを奪い取ったり、奪い取られたりするでしょう。



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