第48話 タロット・リーディング習得法(3) スリーカード
タロット・リーディング習得法(3) スリーカード
「スリーカード」はさまざまなテーマでリーディングできる、とても応用力のあるスプレッドです。
その前に「強いカード」について説明しておきます。
カードには「格」があり、その順番で強さが決まっているのです。
「大アルカナ」22枚>「各スートのACE」4枚>「コートカード」16枚>「2〜10までの数札36枚」
これさえ理解しておけば、とてもリーディングしやすくなります。
「格」によって優先順位が異なるからです。
「過去/現在/未来」リーディング
まずは「過去/現在/未来」を見る方法。
見られる範囲は前後3カ月の範囲内です。
納得がいくカットができたら、左から右へカードを三枚裏向きで置いていきます。
左の「過去」のカードは、質問者が過去どういう状況だったかを表しています。
中央の「現在」のカードは、質問者の現状がどうなのかを表しています。
そして右の「未来」のカードは、これからどんな状況に見舞われるのかを指します。
「未来」のカードが大アルカナやコートカードのような強いカードなら、運勢は強く動きます。逆に「過去」「現在」が強いカードなら、「未来」はひと休みするような状況を意味しています。
左から1枚ずつめくっていって、都度質問者にリーディングを披露していきます。
質問者から「過去」にどのような状況だったのかを聞き、「現在」のリーディングの参考にしてください。
「現在」を開いて心当たりがあるかどうかを質問しましょう。
「過去」「現在」がどの程度合っているか。どれだけリーディングを寄せればよいのか。
それがわかってから「未来」のカードをめくります。
質問者は「過去」「現在」を聞きたくて占いされたいわけではありません。
「未来」が聞きたいのです。
ですが、いきなり「未来」の「ワンオラクル」をするのでは芸がない。
あえて「過去」を聞き、「現在」を聞いたうえでの3枚目で占うのは、質問者が欲している「未来」の結果への情報を得るためです。
「原因/結果/助言」リーディング
同じ「スリーカード」でも質問内容を変えると効果も変わります。
たとえば「原因/結果/助言」の「スリーカード」のスプレッドがあります。
左から「原因」「結果」「助言」の順に並べていきます。
「原因」は先ほどと同じで質問者から情報を得て以降のカードで織り込むためのカードです。
「結果」は「過去/現在/未来」とは異なり、これからのカードなのでカード1枚「原因」で得た情報を元にカードの意味を「結果」に当てはめます。
だいたいの場合、「原因」がはっきりすると「結果」はそのまま導き出されるものです。
因果関係がわかっているから、「結果」のリーディングが質問者にもしっくりきます。
そして「結果」を納得してもらったら、最後の「助言」のカードをめくります。
質問者は「結果」がどうなるのかを知りたくてリーダーを頼ってきたのです。
そして悪い「結果」なら、どうすればよくなるのか。よい「結果」でも、よりよくするにはどうすればよいのか。
質問者自身はよい「結果」にするには「どうすればよい」のか。「助言」を聞きたいのです。
「原因」から「結果」が導き出されたのなら、「助言」のカードで因果関係を変えるためのきっかけを授けてください。
「状況/出来事/状態」リーディング
今回の「状況/出来事/状態」なら左から「状況」「出来事」「状態」のカードを配置します。
今質問者が置かれている「状況」を表します。
次にこれから質問者にある「出来事」が起こることを暗示しています。
そして「出来事」の影響を受けて質問者がどのような「状態」になるのか。
これも「原因/結果/助言」同様、1枚目の「状況」をめくったときに質問者とじゅうぶん対話して情報を聞き出しましょう。
その情報を元にどういう「出来事」が発生しそうかをめくってリーディングします。
たとえば「子供を授かりたい」という質問なら「状況」をめくったときによいカードなら「今前向きなことを占いたい」のかを聞けばよいのです。
そして「出来事」をめくって「女帝」や「ワンドのIV」「各スートのペイジ」などが出てきたら妊娠する可能性が高いと読みます。希望の「星」を引いても、質問者の希望だったので「妊娠する」と解釈できるのです。
最後に「状態」をめくって、無事出産するか。安産になるのか。男女の別は、などを見ます。
ただし「出来事」が質問者の希望と異なるカードとなったのなら、「状態」は「助言」と同じで、どうすれば希望が叶うのかのアドバイスに使いましょう。
「YES/STAY/NO」リーディング
質問者がなにか決めなければならないものを抱えている場合、その質問にどう答えればよいのか。それを導き出すリーディングです。
まずカードを時計まわりにシャッフルしているとき、質問者からどんな決断をしなければならないのかを聞き出します。カットへ移行しても、できるだけ詳しく質問内容を聞いてください。その内容をしっかりと受け止めてカットを続ければ、問題解決のための3枚が導き出されます。
カットが終わったら、左から「YES」「STAY」「NO」の順にカードを配置します。
まず「YES」をめくってその問題を「YES(承認する)」とどのような結果が出るのかを見ます。
次に「STAY」をめくってその問題を「STAY(保留する)」とどうなるかを確認します。
最後に「NO」をめくりその問題を「NO(否認する)」とどのような結果となるのか。
こうして揃ったカードの中から強いカードやよいカードを判断しながら、質問者と会話して最適なものをチョイスします。
まず「質問者は本当はどうしたいのか」を聞き出さないことには占いようがないのです。
そして3枚のカードの中から、どれがいちばんよい決断なのかを説明します。
「YES」が強ければ「進めましょう」、「NO」が強ければ「やめましょう」、「STAY」が強ければ「今は判断する時機ではありません」と答えるのです。
「カードの強さ」によって最適解は変わりますし、そもそも質問者がどうしたいのかによってリーディングを変えなければなりません。
あなたは「こうしたい」と思っていますが、それをすると「こういう結果」になります。
ですが「こう決断」したら「こういう結果」を得られます。
これは「最もやってはならない決断」です。これをすると「このような結果」を招いてしまうでしょう。
このように、タロットリーディングは対話で成り立っているのです。
リーディングは質問者の本音を聞き出さないことには、正しく占えません。
過去はどうだったのか。現状はどうなのか。どうしたいと思っているのか。
本音を知ることで、カードのリーディングも柔軟に変化させられます。
たとえ各スプレッドで同じカードを引いても、質問者の質問内容によって、また質問者自身がどうしたいのかによって、リーディング結果が真逆になることだってあるのです。
タロットリーディングとは、純然たるスピリチュアルな力ではなく、対話力・共感力を用いてリーダーと質問者の間に信頼関係を築き、質問内容を深く知ったら引いたカードの意味を柔軟に読み解いて提示する、きわめてコミュニケーション能力が問われるカウンセリングなのです。
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