タロット、ちょろっと、備忘録

第36話 QUEEN of CUPS. カップの女王

QUEEN of CUPS.

　水の水　献身　明茶色の髪と、灰栗色の瞳の年長の女性

　カップの女王が示すのは「慈愛」「母性」「支援」「芸術」です。

　白いドレスに白と青の縞模様のマントをまとい所々で海と一体化し、感受性が強くてすべてを受け入れる優しさ、すべての命に愛情を注ぐ“無私の愛”「慈愛」の心を表します。

　同情心が強く、他の人の感情やムード、痛み、喜びと同化します。

　人魚の子どもを模した彫刻が施された潮が渦巻く海岸で水に囲まれた貝殻型の王座に座っています。足元には色とりどりの貝殻が敷き詰められています。

　蓋の付いた精巧な、熾天使（セラフィム）を模した翼の付いた天使の装飾が両側に施されたカップを両手で持っています。彼女はその中に夢を見るだけでなく想像し瞑想する時間を大切にし、行動に移して夢を現実に紡ぎます。

　支えが必要なら、彼女が支えとなって満足感を得ます。もし理解者が必要なら、彼女は直感的に感じとり反応します。

　愛する人々との思い出やゆかりのある品をとても大切にします。家庭への献身を第一に考えています。生活は他人の目標の達成に捧げられます。彼女自身の夢は、いつか実現するとしても心に仕舞われたままです。

【人物】夢想家。

【自分自身の中にある要素】直感。

【エネルギー】ヒーリング、安心させること。

【正位置】

「慈愛」愛情豊か、温かさ、周りへの思いやり。愛に満ちた叡智と美徳。

「母性」女性的な趣味、よい家庭、熱烈な感情。調和、親密化、心の安定、思い続ける。

「支援」理解、才能を見出す、パートナーを支える喜び。

「芸術」表現力、衝動的、魅力。センチメンタル、感受性。内向的。

「喜福」喜び、幸福。成功。

「治癒」癒やし、困難な状況における守護。

【職業と為人】色白の女性。よい性格の女性、美しい女性、良妻賢母、完璧な伴侶でありよき母、やさしい妻、年上の女性、質問者に奉仕する誠実で献身的な女性。愛情に満ちた人、同情心のある人、直観力のある人。

【出来事】ロマンチックな恋であれ家族愛であれ、愛そのものを示す。愛を行うだけでなく感じ取る能力。創造的なアーティスト、あるいは自分自身の創造的な側面を表しているかもしれない。

　彼女の夢は情緒的で創造的なものです。音楽、美術、詩や小説といった文学などあらゆる創造的分野と関連しています。オカルト、心理学、哲学、宗教、神秘学に興味を抱いています。彼女の愛は周りの人の怒りをやわらげ、苦しみをやわらげます。この女性が外界へと足を踏み出すとき、人と知り合うのは傷つき苦しむことだと悟ります。彼女が家に引きこもり、限られた人としか接しない理由なのでしょう。さもなくば、彼女は他の人から受けた影響力の犠牲となってしまいます。もし彼女が常に心を開いたら、感情は絶え間ない混乱にさらされるでしょう。

【逆位置】

「溺愛」愛情過多。お節介。八方美人。

「孤立」愛のない結婚生活、子どもに恵まれない、好き嫌いがはっきり。

「感傷」感傷的、ヒステリック、悲観的。感情的になりがち、不安を抱える。きまぐれ。恐ろしいイマジネーション。

「傲慢」傲慢、利己的、強情と裏切り。悪徳。

「閉鎖」閉鎖的、一方通行。

「転落」不名誉。

【職業と為人】ひねくれた女性、堕落した女。多感すぎる人、非現実的な人、恐れ・心配・果たせなかった夢にとらわれてしまっている人。

【出来事】際立って優れた人目を惹く女性ではあるが信頼はできない。ビジョンと行動の結びつきが弱まり、内面的な世界に引きこもったり、感情を偽って行動する。家族間の感情の緊張の可能性。

　情緒不安定な女性を表します。感受性が強くなりすぎ、耐えきれないほどになってきます。他人の犠牲になり、精神が不安定になっています。情緒的に弱くなり、怒りっぽくなったり、傷つきやすくなったりしています。

　混乱し、優柔不断になり、幻影や非現実的な夢を追って自らの殻に閉じこもってしまいます。アルコールやクスリ漬けになったりもします。病的な恐怖心が彼女の心理に影を落とし、夢が彼女を脅かすようになります。最悪の出来事を白昼夢として見るようになります。

　不幸な過去を忘れることができません。彼女は正しい判断をすることができず、恐ろしい非現実的な考えを持ちます。彼女が抱える感情的問題は、彼女を荒れ狂う大波のただ中に放り込みます。

　彼女はハートでなく頭で考える必要があります。そのように訓練するべきです。客観的に物事を判断するよう習慣づけなくてはなりません。