タロット、ちょろっと、備忘録

第29話 XXI THE WORLD. 世界

XXI　THE WORLD.　世界

　土星 ♄ (支配星座:山羊座♑)　インディゴブルー

　世界が示すのは「完成」「達成」「勝利」「繁栄」です。

　彼女はギリシアの大地女神ガイアです。人々は彼女に育まれてきました。彼女は自分自身の中にある小宇宙を支配し、その責任や義務を果たすすべての人々を表しています。

　感覚の世界における魂の内在、感覚を通して得られる存在する喜びによる陶酔を表します。「悪魔」のカードが一緒に出ると、情熱によって盲目にされた状態を表している可能性もあります。

　女性を取り囲む月桂樹の冠のようなリースにレムニスケート(無限記号∞)の断片が上と下に赤く付いており、人生が果てしなく繰り返されることを表しています。このリースは数字の0に似た形をしており「愚者」を連想させます。「愚者」で始まったイニシエーションが様々な修行・経験を経て、ここで完成されるのです。そして、私たちはまた再びスタートラインに立ちました。

　カードの四隅にいる白い雲に包まれた像。左上に男性の頭、右上に鷲の頭、左下に雄牛の頭、右下にライオンの頭です。この構図は「運命の車輪」と同じ。回り続ける「運命の車輪」を見守っていた4つの生物が、なぜ最後の「世界」にも現れているのか。頭を巡らせてください。

　私たちは、人生という螺旋を描きながら上昇し続けているのです。

　このカードは占星術的には土星と関連があります。また宇宙を表しているとされています。

　このカードは自分が本当は誰なのかを完全に悟り、可能性を完全に開花させることを表しています。

　このカードは、ひとつの周期の終わりであり、新しい始まりを示しています。

　すべてのものがひとつになり終局がやってくる一方、真に終わってしまうものは何もありません。

　ですが、これは車輪の循環や永遠の回転で表される時間はないのです。

　むしろその中で出来事が起こり、展開し、結論に行き着く空間です。

　このカードはすべての事物が終わりを迎え、そこからすべての始まりがどのようなものであるかは、他のカードによって決まります。

　たとえば「塔」「皇帝」「ソードのナイト」「ワンドのエース」は急速な始まりを示します。

　一方「隠者」「月」「ペンタクルのナイト」「ペンタクルの5」はゆっくりとしているが、よりやりがいのある新たな始まりを意味するのです。

　仮に「世界」のカードが結論ないしは結果として出ている場合、それは好ましい前兆を示します。最終的にはよりよい状態となるのです。

　中央の場所に出ている場合、そこがエネルギーの軸ないしは転換点として機能する可能性もあります。

【正位置】

「完成」完成された状態、パーフェクト。ハッピーエンド、最高の結果。

「達成」責任を受け入れて目標達成、目的を遂げる、願望成就、満足感、自己肯定。力強い理解。

「勝利」絶好調の運気。成功、現状打破(ブレイクスルー)。

「繁栄」結婚、家の入手、まとまった資産を作る。

「出世」出世、開業の成功、合格、入社する、全体性と自由。

「認知」自分自身を知り表現する。ときに外界からの認知／承認。

【職業と為人】管理職・管理部門の仕事。世界旅行の暗示。

　このカードは、勝利と繁栄を保障します。責任を果たす人には、力と成就が与えられるでしょう。質問者は、現実と義務、そして個人という限界の中でどのように成功を収めるのかを学びます。長所と短所両方を認めることで尊敬を得、すべての行動でその目的を達成するでしょう。世界のカードは、自分自身を知り表現すること。その自己表現によって幸福を得ることをシンボライズしています。

【逆位置】

「未完」不完全燃焼、未完成の状態、部分的な勝利。部分的な成功、不完全な成功。

「半端」中途半端で終わる、挫折する、やり遂げる力を持たない。

「停滞」停滞、遅延、失敗、スランプ、妥協。

「不満」不満足な結果、物足りないさま。自信の喪失。

「変心」気が変わる。

「だらしない」同棲で終わる。

【職業と為人】場合によっては人生や状況がより構造化されるまたより安定的になる。急激な変化の影響は受けにくい。

　成功には至りません。まだ、成功への道の途上にあります。勝利は完全なものではありません。自分自身を受け入れることができないこと、人生における責任を果たすことができないことを表します。