タロット、ちょろっと、備忘録

第28話 XX JUDGEMENT. 審判

XX　JUDGEMENT.　審判

　火・冥王星 ♇ (支配星座:蠍座♏)　赤みがかったオレンジ

　審判が示すのは「再生」「復活」「解放」「覚醒」です。

　聖書に出てくる「最後の審判」を題材にした絵でしょう。プルート、バルカン、ハーデス──これらは秘密を表す神々であり、忌まわしい、無意識の自分を表しています──が大天使と出会い、免罪を受けているところを描いています。

　「救済者」大天使ガブリエルが上空で旗のついたトランペットを”神の力”で吹き鳴らし、棺から死者が蘇ります。

　彼らは、崇高な響きに「覚醒」し、神の意識状態──全体性──へと変身していきます。

　宇宙意識を表す海原が広がっています。蘇る人間の意識は今、まさに宇宙意識へ吸収されようとしています。潜在意識とその海のように果てしない可能性が、顕在意識と一体化しました。この二つの意識はもとはひとつだったのです。

　これは「復活」「再生」生まれ変わりのカードです。復活するのは「死」で描かれた男性、女性、子供です。

　蓋の開いた棺から6人は驚きの中で新たな生を受け入れようと両腕を伸ばし上方に向けています。

　地上の命を生じさせる力を表しています。

　過去からの「解放」、苦しみが終わりを告げて新しい状況へと至ります。諦めかけていたことが復活するなど、思いがけない幸運やインスピレーションを表します。

　冥王星──心理エネルギーと変革の星──がこのカードと関連しています。火象サインとも関係があります。

　ちょうど、燃え盛る炎の中で自らの純化を果たし飛び立つフェニックスを連想させます。

　このカードは新たな「呼びかけ」と「決意」に関連しています。メッセンジャーを表す「節制」とも関連があるでしょう。

　これは「警鐘」のカードであり、今この瞬間を越えたところにある何かが、私たちに呼びかけていることを示しています。

　リーディングでどのように呼びかけられているかを知るには、小アルカナに目を向けることも重要です。

　仮にコート・カードが多く出ている場合は、それらのカードと関連する自分自身の中の性質が目覚め、表に現れ出ようとしていることを意味している可能性もあります。

【正位置】

「再生」再起、再開・再挑戦、やり直しを図る、諦めかけたことが始動。

「復活」復活、改善。発展、ステップアップ。変身。新たな人生。

「解放」変化、解放、許し。自分の力に気づくこと、重要な変化。

「覚醒」目覚める、覚醒、真実に気づく。発想の転換、ターニングポイント。

「決意」やり遂げる。自信。

「吉報」呼びかけ、よい判定が下される、良い知らせ。新しい局面、道が開ける、家族または集団のお祝い。

【職業と為人】引っ越し・転校・転勤・異動。新たなスタート──とくに人間関係における(恋愛関係でも、家族関係でも、ともかく今まで死んでいたと思える人間関係)。既に内側で起こっている大きな変化が外部にも現れてきている。

　質問者は恐れや悩みから解放され、自分の意思やエネルギー、可能性を認識し、表現できるようになります。心と精神のバランス、完全性への心理的変化が起こります。メインテーマは解放です。質問者は他人の支配や困難な状況から解放されるか、自力で脱出できます。この救済は、引っ越し、転職・異動といった形で現れるでしょう。重要な事柄に関し自分が正しいと思ったことに従い、他人の影響力を排除します。

【逆位置】

「停滞」閉塞化、成長しない。未決定、遅れる。変化のない。

「挫折」再起不能、行き詰まる、前へ進めない、元には戻れない状態。

「拘泥」こだわる、ひとりになる。

「別離」引き離される、別れる。

「散逸」弱さ、恐れや疑念。逃げ出せない。

「不運」チャンスを逃す・訪れない、長引く苦境、失望。悪い知らせ。

【職業と為人】考え方や生き方を変えない。解放や変化やチャンスを妨げる。現状から抜け出られない。財産を失う。他の人への影響力を失う。

　人の支配や困難な状況から、抜け出ることができません。質問者は変化そのものを恐れるため、重要な事柄について自分から主体的に動こうとはしません。変わらなくてはいけないと思いつつも、その思いを押さえてしまい、停滞した状況を作り出します。医療では、十分なケアがなされないことを暗示します。