第17話 IX THE HERMIT. 隠者

IX THE HERMIT. 隠者

 処女宮(乙女座) 黄色


 隠者が示すのは「探究」「熟慮」「導引」「孤独」です。


 隠者は道を極めて人々を導くヘルメスです。

 彼の道案内で、神の領域へと私たちは案内されます。彼は神を体験する私たちの一面です。彼はかがり火となり、他の人々を正しい道へ案内します。


 これ以上ないほど「孤独」を貫いて「熟慮」して真実を明らかにし「探究」を極めて叡智を得た人物を表すために独りで険山の頂上に立ち、ランタンを灯して人々を「導引」しているのです。


 彼はじゅうぶんに成熟しており、些末な出来事に左右されません。

 理解の及ばない人を教え導く存在なのです。それは対立する白と黒の中間色である灰色のフード付きローブを身にまとっていることでも明らかでしょう。

 客観的・超然的なものの見方が彼の思考を加速的に成長させました。


 このカードのサインは孤独と他人への奉仕を表す、乙女座です。

 彼は心の傷を癒やす人であり、道に迷っている人に助言を与える人です。

 私利私欲を持たず、卑近な例で私たちを教育してくれる人です。


 隠者は自分が疑いのない状態にあると示しています。

 そのため、探求、疑い、問いの終わりを意味します。

 また問題となっている状況、献身していること、計画していることが何であれ、そこから離れ、距離を開けて見ることを示唆しているのです。


 四つの徳を表すカードが一枚でも出たら、質問者が現状を最大限よくするために実践しなければならない最も重要な徳を示します。その徳は他の好ましくないカードを打ち負かせるのです。

 節制=節制:自制心と節度(差し控えること、すぐに何かに傾倒してしまわないこと)

 隠者=熟慮:行動の前に起こり得る結果を注意深く熟考する

  力 =剛毅:恐れと向き合い行動する

 正義=正義:自分がどうあれ正義は貫かれるでしょう。すべてのものが秤にかけられるでしょう


 「隠者」は孤独のカードですが、その深い意味は自己の中の複数の要素と調和の状態にあることを示しています。

 私たちの孤独な探求は今や偽りのないものとなり、神に対しても、また私たちの仲間にとっても、目印となるランタンとしての星を掲げています。

 また、このカードは質問者が完全に受け取る準備が整うまで、物事の真実が隠されているということも示しているのです。

 それが役に立つときがくるまで、真実の光は見えてきません。


【正位置】

「探究」秘められた知恵、真実への気づきを得る。真実、学業、研究、真理の追求。到達。

「熟慮」熟慮、思慮分別、慎重さ、精神性。秘教的な知恵。

「導引」他の人からの賢明なアドバイス、推薦。アドバイス、成功へ導いてくれる人との出会い。

「孤独」内向的、ひとりで過ごす、一人が好き、単独行、デリケート、独りになる。

「固執」こだわりの強さ、現状維持。

「内省」内なる叡智。内なる導きの声・案内人。自分との内なる対話、自己と向き合う、自己探求。

【職業と為人】インストラクター、カウンセラー。賢い人、アドバイザー、教師。ある種のスピリチュアル・ガイド、ロール・モデル、個人的な師。

 成熟、特に「愚者」または冒険心あふれる「ナイト」に代わる存在として。

 質問者は十分に成長しており、自活・自立を達成しています。決心したことを、自信を持って慎重に実行していっています。自分の判断を信じ、達成に向けて実行する勇気を持つよう、質問者を励ましてください。このカードが質問者自身の知性を示していないときは、信頼できる筋からのアドバイスを表しています。医療、ビジネス、教育、法律といった類いのものでしょう。意識レベルが高く信仰心の厚い人とか、人生の師と仰ぐ人から、指示を受けるかもしれません。医療のリーディングでは、医師の指示に忠実に従うことを示します。


【逆位置】

「無知」無分別、愚かさ、無学。過去の過ちから学ばない。

「軽率」不道徳、視野が狭い、未熟さ。

「孤独」孤立、よいアドバイスが得られない。

「頑固」偏屈。アドバイスを聞かない。忠告の拒絶。

「悲観」被害者意識、閉鎖的、現実逃避。

「執着」細かいことが気になる、過去にとらわれる。

【職業と為人】間違った考えに固執する、他人を避け自分の殻に籠もる、

 心に留め置くべきアドバイスを無視してしまいます。質問者は、問題に関する自分の判断を、信用することも受け入れることもできません。そして後悔してしまうのです。「あなたの判断は決して誤ってはいません」あるいは「忠告してくれる人の言うことには素直に従いましょう」とアドバイスしてあげてください。質問者が、無責任で義務を果たさないとか、何かの事柄について未熟であるという暗示もあります。

 他の人たちと過ごすべきとき、社会に参加するべきとき。とくにある期間、人と交わらず、孤立した後に。



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