第13話 V THE HIEROPHANT 秘儀の司祭

V THE HIEROPHANT 秘儀の司祭(教皇・法王)

 金牛宮(牡牛座) 赤みがかったオレンジ


 秘儀の司祭が示すのは「伝統」「道徳」「権威」「啓示」です。


 秘儀の司祭はローマ教皇です。


 彼はさまざまな名称で呼ばれます。法王、教皇、司祭長、秘儀の司祭、牧師、ラビ、グル、伝道師、などです。

 いずれにせよ、彼は神と人間との仲立ちをする人です。

 私たちの内面に宿る教師であり、私たちが静かに心を向けると、インスピレーションや道しるべを与えてくれるのです。


 長きにわたる「伝統」のうえで神からの「啓示」を基に信者へ聖典の「道徳」を教えて生きる道を説き、則に従わせ秩序を保つだけの「権威」を持っています。


 社会的規範であると同時に、悩み苦しんでいる人に救いの手を差し伸べる存在でもあります。

 揺るぎない信頼と精神的な拠り所を意味します。


 質問者が目を背けているもの、または質問者が私たちに相談しながら明るみに出そうとしているものが存在することを示している場合もあります。


 秘儀の司祭の足元にある2本の交差した「天国の鍵」は教会が用いてきた象徴で、ローマ・カトリックの伝統ではキリストが使徒ペトロに渡したものであり、それによってペトロは地上を治めて天とのつながりの権威を持つ、状況を様々なレベルで掌握していることを示しています。


 ひざまずいている托鉢修道士の1人は「白百合」模様の衣装をまとって精神の理想を守り通して司祭の足元にたどり着いたことを表し、もう1人は「赤い野薔薇」を描いた衣装をまとって彼のヒューマニズムによって司祭の謁見が許され、もっと多くの教えと導きを求めようと熱望しています。


 「hierophant」は「聖なるものを啓示する」意で、目下隠されているものを教えてくれる誰かを探さなければならないことを示しています。

 つまり「秘儀の司祭」は啓示する者、「高位の女司祭」は秘匿する者です。

 「秘儀の司祭」は知る必要があることに関する経験豊かな専門家であり、独立独歩で歩んでいくことを示唆しているカードではありません。


【正位置】

「道徳心」モラル、規則、規範的、優等生的、社会性、協調性。

「寛容」寛大で公平な精神、慈悲深さ、慈愛、思いやり。

「誠実」曲がったことはしない、よい行ない、善良さ、信頼。

「宗教」信心、供養、霊的/精神的な教えや絆、援助、カリスマ。

「儀式」祝福、冠婚葬祭・結婚。

「伝統」保守的・慣習的・オーソドックスなやり方、常識、教育一般。

「直観力」問題への超越感的なガイダンス、発展。

【職業と為人】ルールやモラルを重んじる、規範を重んじる、共同でやっていく。法律家・弁護士。教師・教員。宗教家・神官・僧侶。

 仕事・家庭・医療では〈世間に受け入れられやすい、慣例的な方法に従いなさい〉というメッセージ。

 結婚ではオーソドックスで皆に認められる合法的な結婚を暗示します。妻と夫はごく一般的な役割分担をします。

 雇用では大きく安定した企業・組織を意味します。

 学業では由緒正しい歴史ある、時として規則の厳しい学校を暗示します。

 健康面や医療では通常の処置や療法を表します。


【逆位置】

「不道徳」ルールを破る、ルールに縛られる価値観が覆される、反抗。

「放縦」慣例を無視する、行きすぎた行為、自由を与えすぎる、信頼を裏切る。

「怠惰」何もしようとしない、依存。

「不信心」信仰心のなさ、偽善的、宗教や宗派の違い、物質にとわられすぎる。

「直観を無視」内なる導きに耳を貸さない。

「偏屈」頭が固い、束縛、偏った考え。

「不安」自信がない。

「利己」自分のことだけ、孤立無援、自分の人生を歩む。

「独自」独自の考え、常識を外れたアプローチ。普通とは異なった独創的なやり方。

【職業と為人】月並みでない人。普通の人があまり就職しないような特殊な所に勤めたりします。青年活動家。カリスマ塾講師。カルト出身議員。

 騙されやすいことを示唆している可能性も。(場合によっては)カルトを指します。

 ユニークな、普通でない、独自性のある、実験的な事柄が、質問に関わってきます。何かを行うとき、新しい、伝統を無視した、変則的な手段がクローズアップします。

 結婚では内縁関係とか同僚といった、普通ではない同居関係がありそうです。

 医療では最先端の医療技術とか治験的医療を表します。

 学業面では、斬新で革新的な教育の暗示があります。



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