第11話 III THE EMPRESS. 女帝

III THE EMPRESS. 女帝

  金星 (支配星座:牡牛座と天秤座) グリーン


 女帝が示すのは「愛」「母性」「妊娠」「豊穣」です


 彼女は聖母マリアです。

 「妊娠」しており、肥沃さと女性性を象徴する柘榴で飾られたゆったりめのガウンを着て、寝椅子と大きなクッションに座っています。


 すべてを受け入れる包容力と見返りを求めず与える「愛」が繁栄をもたらします。


 あるアイデアや計画が温められています。

 それらは内なる王国で、来たるべき日のために、着実に成長し力を蓄えています。

 出産を待つように、このカードは待つことや忍耐を意味します。

 彼女は時が到来するのを待っているのです。


 大地の肥沃さによって地の力が増大し、小麦の実りも「豊穣」となります。


 創造、成長、魅力といった「母性」を人格化しています。


 「女教皇」のカードとは異なった側面から、潜在意識を表現しています。

 「女帝」はイマジネーションを生み出す力を表しています。

 潜在意識にいろいろな考えや印象が染み込み、私たちが見たり聞いたりする対象物を心へ投影する心理的なフィルターを作り出します。

 これによって、好きとか嫌いとかいう気持ちが生まれます。


 「女帝」にとって、人生とは豊かに暮らすことです。

 愛という永遠の泉から恩恵を受け、優しさや情熱を与えたり受けたりすることを発見しました。


 また、赤ん坊をもうけること、結婚式への参列を表しています。

 彼女はハートであり、私たちはそのハートでもってじかに人生に触れ、感動を得られるのです。


 心を落ち着かせ、自然を本来の成り行きに委ねるよう教えてくれています。

 懸念していることがなんであれ、本来の場所へと自然と収まるのに任せることを示しています。


 女帝が出ている場合、物事が滞ること、またそれによって引き起こされる欲求不満の感情を意味することもあります。

 その状況に対して、質問者は影響を与える力を持っているか、あるいは何か行動を起こせるかを見るためには、小アルカナに目を向けるべきです。


 たとえるなら大アルカナは強く深い川の流れであり、小アルカナは表面上の小波や渦のようなもの。

 大アルカナがかなり多く出ている場合は、いかにそれらの流れと協調していくべきかを学んでいかなければなりません。

 小アルカナが多い場合は、とりわけ協調ないしは抵抗しなければならない流れもないため、進むべき方向に自らが漕ぎ出していかなければなりません。


【正位置】

「愛」豊かな心、包容力と見返りを求めない愛が繁栄をもたらす。計画や事業の成長と発展で経営や運営がうまくいく。愛し愛され、愛する人との時をエンジョイしています。

「結婚」愛が大きく育まれ、結婚という実がなる。

「母性」幸せ、安定、順調さ、余裕がある、優しい。

「妊娠」新たな生命のサイクルとその豊かさを象徴する。喜び、官能性。

「豊穣」実り、豊かさ、豊穣の時、収穫、自然の実り、良い土地や良い自然、生産する。

「芸術」情熱、感情、美しさ、優雅さ。

「満足」物質的・精神的に満たされた気持ち、充実している。

【職業と為人】結婚を暗示したり、恵まれた愛情や結婚生活、妊娠、良い出産、子宝に恵まれる。美術、装飾、デザインなどクリエイティブな仕事。質問者の母親または質問者自身が母親である。

 女性の象徴カードとして、自分の可能性を開花させてくれるような事柄を大切にします。彼女の目的は、自分の才能や素質を引き出すことです。これを達成することが、心に安らぎをもたらすカギです。母親、結婚、家庭に関する事柄で、彼女は悩んでいます。


【逆位置】

「停滞」よどみ。愛を与えられないこと、感情が無理に抑えられる情緒的な問題。過剰な愛、不安定な愛情、情緒不安定、活動の停止、遅れること。

「挫折」迷い、曖昧な態度、集中力のなさ、成長がないこと。幸せな生活には欠くことのできない愛情は、くじかれ、妨害を受け、拒まれました。

「悪母」支配的な母親、または厳しい母親との問題。愛情と甘やかしの履き違い。

「不妊」場合によっては、妊娠に困難があること。

「渇望」不満足・不安定な状態、おごり、傲慢、嫉妬、欠乏感、暴飲暴食。

「わがまま」贅沢、甘え、怠惰、依存、自制がきかない、フラストレーションや怒りが限界に、感情が無理に抑えられるため心の苦しみを招きます。

「苦闘」自分の願望を果たすのに悪戦苦闘している。

「思慮深さ」警戒、感覚よりも知性。

【職業と為人】妊娠の連続や不妊症、愛を伴わない見合い結婚。離婚や不貞。

 女性の象徴カードとして、情緒不安定な女性が暗示されます。彼女は愛されることも必要とされることもなく、孤独です。人生には不可欠な”愛し捧げる”ことができないでいます。結婚生活への拒否反応の暗示もあります。それは、離婚とか不貞へと発展するでしょう。うちに秘めた怒りの気持ちが積もって憂鬱な状態を生み、健康問題へとつながる可能性もあります。



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