第12話 世界会議《後編2》
全員が席へ座り終わると王女様が立ち上がり、一礼してから言葉を発した。
「この度はお集まりいただきありがとうございます。進行を努めさせていただきます、アイリス・アスタロトと申します。よろしくお願いします。では早速ですが議題へ移りたいと思います。まず最初として最近活発化しているモンスターについてですが」
今日は四つ議題があるそうだ。
大体会場にある時計で二時間くらい話し合いが続いた。
「今回は以上となりますが他の方で議題がある方はいらっしゃいますか?」
「はい」
すぐに手を挙げる。
「では、リシア様。前にお願いします」
王女様の隣にたつ。
「リンガという街に住んでます、《天魔王》リシア・ウィリーリアスと申します。えー、先日私はアポロニア教異端審問官と名乗る者による襲撃を受けました。その襲撃内容は力が強大すぎる上影響力が今後生まれるためアポロニア教の教皇の命によりとの事でした」
「待て!なにか誤解しているのでは無いのかね!!」
アポロニア教教皇がに睨むように発言する。
「ロブソン教皇、お静かに。リシア様続けてください」
「はい。その異端審問官に事情を聞けば彼女は教皇によって無理やり働かされ今までも異端者として何人も裁くことを強要されたとのこと。教皇の目の前にした彼女の焦りと苦痛は見てても分かるくらいです。これはあまりに行きずきた行動かと思いますが、アイリス・アスタロト第二王女殿下」
「片方の意見だけで判断はできません。ロブソン教皇、その件についてはどうお考えで?」
「私は一切として関与しておりません。彼女が勝手に起こした行動であります」
言い訳にしか聞こえないその発言に怒りが溢れそうになるが抑える。
「そうですか、では、エリシア出てきなさい」
「は、はい」
エリシアが震えながら俺の隣に立つ。
「なっ、き、貴様よくもぬけぬけと」
「エリシア、それが教皇の命令ならなにか書面とかある?」
「はい、教皇猊下のサインが入った執行書があります」
とエリシアが一通の紙を取り出し王女様に渡した。
「えーでは読み上げますね。異端審問官兼筆頭騎士エリシアへ下記異端者に対する執行命令を与える。
リシア・ウィリーリアス。彼女は強大すぎる力を持ち更に今後影響力を強める可能性があるため厳正した結果異端者と認定し彼女への執行を命ずる。生死は問わない。
アポロニア教教皇、ロブソン・コールディク。これはどういうことでしょうか、ロブソン教皇?執行命令を下す場合その国への承認が必要であるはずです。この件は一切私は聞いておりません。これは明らかな条約違反」
「その女はいずれ我々人類にとっての脅威になりうる!!」
「じゃから、、じゃから妾の友であるイリアスを殺したのかっ!!」
アステリア様が教皇の襟首を掴む。
「あ、アステリア様っ!」
「止めるな!リシア!こやつは妾の友、そして貴様も殺そうとした男!!こんなやつを許すことなど妾には到底できぬことじゃ!!」
「アステリア様、私のことを思うならその手を離してください。お願いですから」
「ぐぬ、、」
不満そうな顔でアステリア様は教皇から手を離す。
「げほっ、げほっ、き、貴様らこんなことをしてタダで済むとおもって、、、」
「私は貴方のようなクズが嫌いです。正直ここが世界会議の場で無ければ貴方を殺していたかも知れません」
「なぜじゃ、リシア!!そのクズを許すのか!」
「アステリア様、少し黙ってくれませんか」
心の底からこの教皇が憎く、腹が立っている。
しかしここで暴れれば王女様への迷惑となる。
「見損なったぞ、リシア。貴様がそこまで薄情な人間とは思っておらなんだ」
怒ったアステリア様は会場を出ていきそれを追うようにアルミスも出ていった。
「皆様、連れがお騒がせしました。申し訳ございません」
「さて、話を続けましょう。ロブソン教皇、どう責任を取られるおつもりですか?彼女が生きていたから良かったものをもし死んでいたら我々王国とアポロニア教は戦争が起きていたかもしれません」
「ぐっ、しかし!!」
「その件については、我々アポロニア教へ一任してはいただけませんか、殿下」
ここへ来る時に出迎えてくれた女性だった。
「どういうことでしょう?」
「枢機卿と話し合いをした結果、現教皇ロブソン・ゴールディクを解任することなり彼への刑は我々アポロニア教で執行させて頂きたい。もちろん後日、リシア様方には謝罪に出向くつもりです」
「な、何を勝手なことを言っておる!!」
教皇はその女性の周りにいた男達が取り押さえ、部屋から出ると女性が目の前に来た。
「この度は大変なるご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。言い訳と思われるかもしれませんがイリアス殿への執行もあなたへの執行も彼の我欲によるもの。アポロニア教代表として謝罪させていただきます」
その女性が土下座をする。
「頭をあげてください。私は生きてます。だからあなたが謝る必要はありません。それでいいですか?エリシア、あと隠れてるアステリア様」
「はい、リシアお姉様」
「う、うぐ、、リシアが言うのであれば」
窓からアステリア様が入ってきた。
「いずれ次期教皇と共に謝罪に出向させていただきます。殿下、今後について後日話し合いを」
「分かりました。こちらもこのままアポロニア教を許すのは致しかねますのでその場で厳正なる処分を下させていただきます」
その後、アステリア様は王国への渡航を禁じられた。
名目上、教皇に手を出したことが原因となっている。
聞いた話によればあの教皇は奴隷として流され、王国はアポロニア教へ数ヶ月の新教皇と枢機卿の減給と俺たちへの慰謝料としての白金貨千枚を命じられたとの事だ。
一応新教皇とあの女性が謝罪に来た。
今度の新教皇は女性でかなり美しかった。
あれが聖女と呼ばれる人間なんだなと感心していた。
そしてまた、アポロニア教を降した魔王という噂が広まり王女様は大喜びしていたらしい。
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