第2話 中学生になって更に親父に不信感を持つように

母が電話しながら泣いているのを家の中の隅っこで聞こえた

電話の相手は親父の母だった


母「お父ちゃんが、ギャンブルで200万借金をしたそうです、畑を売らなければいけないです、どうしましょう」


実家の畑は2つあった


小さい頃は、親父と母さんが畑仕事に行って、直と信もついていき

両親が畑仕事をする中、2人の子供は近くの神社で鬼ごっこや隠れんぼをして遊んでいた

お昼には…

母さんがおにぎりを作ってくれて

梅干しが酸っぱかった

暑い暑い夏があったことを今でも覚えている


その風景がなくなる…


その後、親父の母が自宅にきて母さんと話をしていた


「あんな駄目な父を見て、立派な子供が育つんだろうね」


親父も親父ならその親も親である


結局、畑は売りに出し借金を返し、親父の名前はクレジット会社に連絡して、ブラックリストに載せて、お金を借りれないように対策を打ったらしい


直は親父が母さんに謝るのを見たことがない


どんな気持ちでいるのだろうか?


親父への不信感は強まり、親父を調べたくなった


直「親父って昔どんな人だったか知ってる?」と聞いた


母さんは写真を見せながら教えてくれた


母「高校は野球をやってたのよ、ほら写真があるの、社会人になり、車の部品会社に務めてからは次長までなったんだけど、会社が潰れて、今は車の部品を自営業しているわ」


直「そうなんだ」


会社が潰れてヤケになってギャンブルに走って

畑までまで売って、家族に迷惑をかけた駄目な人間なんだと知った


駄目な人間ってこれで反省するのだろうか?


親父を信じたい…


しかし…


最悪の出来事のスタートにしかならない事を、この時は知るよりもなかった

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