天使と悪魔カフェにようこそ~お悩み相談室

ソラ

序章

プロローグ~天の国編

 私の名は、ラファエル。『天の国』という国に住んでいる。天の国は雲の上にあり、天使がたくさん住んでいる。


  地面一面に花が咲いていて、とてもきれいな国だ。

 

 ある日、私は大天使ミカエル様から呼び出された。


 ミカエル様は、この国で1番えらい人。私の父親だ。


 そして、キレやすい。怒らせると何してくるか分からない人でもある。


 私は、呼び出された国の先端に向かった。


「ミカエル様…私に、用事でもあるのですか? こんな場所に呼び出して…」


「ラファエル…急に呼び出してすまない。日本に、行ってほしいのだ。」


 ミカエル様は、申し訳なさそうに言った。


「急ですね? なぜ、私が日本に下りないといけないのですか?」


「昔、お世話になった人から連絡が来た。」


 ミカエル様が、日本行った話は聞いたことあったけど、この国まで連絡が取れるとは思えなかった。


 どんな人間が連絡してきたか気になった。



「人間と連絡するのですか?」


 ミカエル様は、ポケットから何か取り出して見せた。


「今の時代、携帯があるからな」


 人間が作った携帯で雲の上にある所まで届くとは考えられず、疑問に思った。


「ここ…雲の上ですよ?」


「この人間の作った携帯はすごいな! 雲の上まで届くらしいな。昨日、電話で話したから間違いない!」


 くそ! 昨日、喋ったのか。話は、嘘じゃなかった!


「何の用件で電話がかかってきたのですか?」


「『息子に引き継いだ店が、倒産寸前で至急、店を手伝ってほしい』と連絡がきた。」


「そんな用件で…わざわざ電話してきたのですか? ミカエル様…もちろん…断りましたよね?」


「特に、断る理由のないから承諾した。頑張れよ。ラ・ファ・エ・ル」


「え? 私が行くのですか? ミカエル様が、行けばよろしいのでは? 私は、行きま…ぐはっ!」


「私は、忙しい。文句言わずに日本に行け。」


 ミカエル様は、ニコニコしながら私の腹を思いっきり拳で殴った。


「い…いたい…私を殺す気ですか?」


「それ以上言ったら、また殴るぞ。」


 お…脅してきた…これ以上、ミカエル様を怒らせたら殺される……ここは返事しなくては…


「ミカエル様が、そこまで言うのでしたらい…行きますよ…」


「行ってくれるのか! ラファエル。さすが、私の息子!」


と言って私に抱きついてきた。


「だ…だきつかないで! 早く離れてください! みんな見てるじゃありませんか!」


周りを見渡すと、こっちを見ながら笑っていた。抱きついていたミカエル様を振り払った。


「都合のいい時に限って、息子を使わないでもらえますか?」


「いいではないか。しばらく会えなくなるんだぞ。抱きついておかないと…寂しくなるからな…」

「……」


 嘘くさい言葉に、無言になってしまった。


 …話はまだ終わっていない! このままだと…この人のペースに巻き込まれる。なんとか本題に戻さなくては…


「本題に戻りますが…私は、いつから日本に行けばよろしいのですか?」


「明日…と伝えようとしたが…今から行きなさい!」


ドン!


「!?」


「え? 落ちるー!」


と後ろから背中を押され私は、突き落とされた。


「ラファエル! 言い忘れたことがある! 期間は5ヶ月、店の名前は恋カフェだ。ちゃんと覚えとけよ!」


「5ヶ月…恋カフェ…」


私は、突き落とされ、上からうっすらとミカエル様の声が聞こえたが、どうでもよくなった。


こうして気を失った私は、日本に向かった。


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