吸血鬼

「何が出るんだ」

「早く、早く来てくれ!」

「鍵の開いたドアを押し開ける――なんと、そこに吸血鬼がいた!」

 紫色の着物姿の落語家が司会者に指をさし、「そろそろお迎えがくるから、柩のなかに入ってろ」

「脈はあるよ、まだ」と司会者は言い返した。「吸血鬼は不滅だ!」

「やるかじじい!」

 カッとなった司会者は司会の机を飛び越えてR太郎に詰め寄る。

 逃げまくるR太郎。

 どよめく会場。

 ヤンヤの喝采。

 大爆笑。

 司会者はR太郎をじっと睨みつけた。「Y田君! R太郎さんの一枚持っていきなさい!」

「そのままでいいじゃない!」

「自分の腹にあることいってるだけじゃねえか! Y田君! 全部持ってっちゃえ!!」

「はい、かしこまりました」

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