4便目 焦りの汗

僕は焦っていた。

出掛ける寸前に玄関のドアを地下に下ろす為の

キーが見つからないからだ。


これではここから入って下さいと

言ってるようなものだ。


水滴を吸って

酸素を作る

酸素を吸って水を作る

言の木たちと共存している

ここじゃ当たり前の相互の呼吸法。


僕は焦っていた。

まだキーが見つからないからだ。


当たり前の原理原則なんかを

脳内で黙読して

キーの在りかを求めたが否。


まるで昨日の

『言の葉の重き』についてと

同じように、理解納得に繋がるキーは

見付からなかった。


僕は焦っていたのだ。

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