凶悪犯罪者が現れた! (裏)
side〜凶悪犯罪者〜
「さて、斎藤武はどこだ?」
もう一人の能力「隠密」を使って潜入をした聖内学園内で斎藤武を探し始める
隠れながら見つけるのには多少手こずるかと思っていたが、柱の上からあたりを見回してみると、案外早くターゲットを見つけることができた
どうやらこちらには気づいてないみたいだ
「とりあえず、小手調べだ」
そう言ってターゲットに向けてビームを打つ、だが予想外なことに相手はビームを避け、こちらを向く
「ちっ、外したか」
明らかな犯罪者が目の前に二人もいて、ビームを撃ってきたというのに、相手には焦る様子は微塵も見られない
「へん、余裕そうじゃねえか、さすがは噂の無能力様だなぁ」
「ふん、い、今のはまぐれさ、次で終わらせるよ」
まぁいい、俺たちの計画はここからだ
まず、もう一人の別の能力、「固定」を使い、相手の能力を止める
そしてすぐさま結界を起動させる
この結界は最近闇ルートに流れ始めた高額な代物で、これ一つを張るだけで、人払いもでき、監視カメラにも映らなくなる
「隠密」の強化版とも言えるだろう
「へぇ、僕を狙いに来たのかい?」
「そうさ、あんたの首には多大な賞金がかかっている、正直言ってこんな一人のガキにかけるとか正気の沙汰とは思えないが…あんたにも心当たりぐらいあるだろう?」
「ふ、ないわけじゃないがな」
相手は依然として余裕な態度を崩さない
「まぁ、おしゃべりはここまでだ、俺はあんたを殺して名を上げさせてもらう」
さっさと終わらせることにしよう
「お前、気づいてないのか…愚かな奴め」
「なんだと…?」
相手が不穏な発言をする、ブラフか?
「ど、どうせでまかせだよ!こんな奴!」
まぁ、ブラフだろう。こいつのいう通りだ
「少しは骨がありそうだと期待してたんだがな、所詮は噂か」
ポツポツと雨が降り始めた
これは…好都合だな
「言っておくが助けは来ないぞ、こいつの能力の上に雨が降り始めたせいで視界も悪い、救援が来る確率は絶望的だ」
「では、さらばだ」
そう言ってビームを溜め始める
「そんなところに立っていて大丈夫か?」
懲りずに相手はブラフを言ってくる
だがその瞬間嫌な汗が背中をつたる
「最後の最後まででまかせを…消え去れ!」
勝ったーーーその瞬間、
ビシャアアアン!
急に雷が落ちてきて、俺たち二人に命中した
「な、なんだ…と…」 バタっ
「う、嘘でしょ」 バタっ
いくら能力者といっても雷が直撃して耐えられるわけではない
(くそっ、これを狙っていたのか)
柱の上に乗っていた俺にならまだしも、普通に地上にいるあいつにも当たるなんて偶然はないだろう、おそらく…
そこで、俺たちの意識は闇に落ちた
side〜学園長〜
あの騒動の翌日、私は監視カメラの映像を見ていた
当時は、犯罪者達の闇市場の道具により映らなかったみたいだが、それが壊れて、効果がなくなっていたせいか、録画されていた映像には映っていた
見てみると相手に能力を使われ動けない状況の武くんが能力を使って相手に雷を直撃させていた
「武くんの能力は気象を操る能力?でもそれじゃ…」
それだけじゃ説明つかないことが多々ある
この力はただの副産物なのか、武くんが持っている能力のうちの一つなのか…
これは想定のレベルを引き上げたほうが良さそうね
少なくともAランク、おそらくSランクだと考えられるわね
「これからさらにこういう事件は増えるだろうから、警備を強化しないと…」
まぁ、あの子なら大抵のことは大丈夫だとは思うけど
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます