僕は無能力者です (表)
今日は雲一つない青空が広がっている。
太陽が地面を照りつけ、心地良い暖かさが僕を包んでいた。
が、そんな天気とは裏腹に僕の心は困惑でいっぱいだった。
原因は朝届いた書類だ。
「能力者育成学校:聖内学園へのご案内…?」
書類では僕が能力者育成学校に入学することになっていた。
能力者育成学校とは、能力者は能力者専用の学校に通わなければならず、その専門の学校というのが能力者育成学校だ。
しかも今回僕が入学することになっていた聖内学園は、その中でも最低Cランク以上のうえ、超難関の試験に合格しなければいけない超エリート校だ。
一応、超能力に関わらず何かしらの実績や推薦があれば入れるらしい
が……
これは余談だが、日本には他国と比べて多くのSランク能力者が存在しており、それらは全員聖内学園に所属している。
意味がわからない。僕は検査の結果、無能力者ということが判明している。
今まで能力が使えるようになりそうな予兆も感じたことがないし、そんな話も聞いたことがない。
しかも、もう今は6月で本来入学する時期は過ぎている。特例として僕はそこに編入することになっているみたいだ。
そんな時、ふと僕の目にある一文が止まる。
『聖内学園 学園長による推薦』
「??????」
ますます意味がわからなくなってきた。
なぜか僕は学園長から推薦されて入学することになっているらしい。
いやそんな知り合いは僕にはいない、というか友達もろくにいないのだが。
そうすると、僕は知りもしない誰かから推薦されているということになる。
最初は間違いなく人違いだと思ったけれど、その書類には僕のありとあらゆる本当の個人情報が載っていた。
「そんな間違いするかな?」
というかそんなことを希望したことも、了承した覚えもない。
「とにかく、これは間違いか何かによるものであることは確実だろうから、断らないといけないんだけど…」
というか、これ断れるのか? どこに電話すれば良いのかわからないし、いつの間にかほとんどの手続きが完了しているんだが……
「とりあえず、3日後に学園に行かなければいけないらしいし、その時に聞いてみるしかないか」
$ $ $ $ $
気分転換にと散歩をすることになって、外に出てきてみたが……
最近、妙に視線を感じるようになったのだ。
別にどっかの漫画の人みたいに気配だの、殺気だのを感じ取れるわけではないのだが、どうにも見られているような気がする。
周りを見渡してもとかに誰かが僕を見ているようなわけでもない。
「自意識過剰なのかなぁ」
そしてーー
チッ!
なぜかこんな物音がよくするようになった。
そしてやはり、周りを見渡しても何もいない。
「能力者育成学校のこともあるし、憂鬱だなぁ」
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