20141127
蒼風
X
拝啓××様。
突然の連絡で驚かれているかもしれませんが、どうか落ち着いてお読みください。
私××は、そろそろこの世を去ろうと思います。
ええ、その通りです。自殺です、自殺。だからこれは俗に言う「遺書」っていうやつなんだと思います。
きっと色々と言いたいことはあると思います。けれどどうか落ち着いて、そしてまずは私の話を聞いてください。
私の人生に、楽しみは無いのです。
そんなことはないとあなたは否定するかもしれませんし、もしかしたらその通りなのかもしれません。
ですが、それはあまり重要なことではないのです。
今、重要なのは、私がこれからの人生に対して余り興味を持っていない、ということなのです。
仕方の無いことです。趣味だった漫画も、今はほとんど読まなくなりました。
ゲームだって、全然やらなくなったなぁとしみじみしているくらいです。
本当は、ノベルゲーをもうちょっと掘り下げてみてもいいとは思うのですが、それもまあ、さしたる意味はないでしょう。
だから、この世を去るのです。
至って当たり前の結論だと思うのです。
家族にも特段、思い入れはありません。どうしてあれらはああも人の行動に文句をつけてくるのでしょうかね。偉そうに。死ねばいいのに。
それでは、あまりお時間をとってしまうのもよろしくないですから。この辺で失礼したいと思います。
それでは。
どこかの××へ、愛をこめて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。