第2話 暗闇を駆ける子供達



 階段を降りていく

 その先に暗闇があっても

 足をとめない 走り抜けて


 その先に僕を食べる化け物がいたっていいんだ

 そいつが この無駄な命を終わらせてくれるなら


「でも今だけは この一瞬を終えるまでは」


「彼女だけは助けたい だから」


 死神がいるなら さっさとこの命を奪ってよ


 ずっと膝をかかえて 順番が来るのを待っていた


 覚悟ならとっくにできている


 この生を終わらせる準備も


「それでも それは僕だけの話で」


「死にたくない彼女を犠牲にしてしまうのは間違っているから」


 暗闇の世界を走り抜ける


 二人生きられる世界じゃなく

 一人生きられる世界だけを見つめて


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