天使と悪魔のハーフ=堕天使になり損ねました。

@ren0710

第1話 天使と悪魔の子

 僕の名前はアラン。唐突だが、僕は天使族のお母さんと悪魔族のお父さんに育てられた。お母さんとお父さんはお互い旅をしていて人間界で出会い二人で世界中を旅していたらしい。そんな二人も僕が生まれる少し前に僕の故郷であるビスタに住むことにしたらしい。しかし二人には僕を出産するうえでとても心配していたことがあるらしい。それは天使と悪魔の子は純血の堕天使であると言われているからだそうだ。なぜそれが心配することなのかと、幼いころ僕がそのことを聞いたら母は渋々ながら答えてくれた。

「アラン、堕天使っていうのはね天使族が強力な魔族の血を与えられるか、聖のペンダントを黒く濁すほどの闇の魔力を心の中で生み出すことでなるものなのよ。その証拠に絵本にも書いてあるでしょ。」

そう言って、僕の持っていた絵本のページをめくり白と灰色と黒が混じった羽をもつ堕天使の絵を指さした。

「堕天して堕天使になったものは目に特殊な刻印が浮かぶのよ。でも天使と悪魔の生殖によって生み出される堕天使は違う。堕天使は光の魔力と闇の魔力が完璧には掌握できないから灰色の魔力が生み出されるんだけど、純血の堕天使は母体の中で完璧に光と闇を掌握してしまうから羽も黒と白の2色しかなくて、目も完璧なオッドアイになるの」

お母さんは僕の頭を優しく撫でながら言葉を続けた。

「それに、純血の堕天使は他の堕天使よりも強いんだよ。だから可愛いアランが悪い人に捕まったらどーしよー?って思っただけ」

そう言って優しく微笑んでくれたお母さんの膝で僕は暖炉の暖かな熱に意識を吸い込まれていった。

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